初めまして、天使です。[Ren.N]

チーズケーキに感動。 ページ11

.


コンビニでいろいろと買い込んだ私は、来た道を引き返す。
廉は私の少し後ろを歩いていたけれど、さっきの出来事があってからは隣を歩くようになった。


……それにしても近い。
ほら、今だって私の肩が廉の腕に当たる。


廉「…あ、ごめん。」


そう謝るけれど、距離を取る気はないのか、それからも何度か腕や肩が当たった。



家に着くと、テーブルに広げるコンビニご飯やらスイーツに目を輝かせている廉。
じっとしていた廉は、そっと手を伸ばして細い指先でつんつんと突いた、透明な器。


廉「……なあ、これ何？」

『チーズケーキだよ。最近ハマってるんだ。』


廉の言う、“あっち”の世界では、人間界のものを知る勉強をしているらしい。
だからコンビニも知っているし、話をしていて噛み合わないってこともなかった。
でもチーズケーキは習っていないみたいで、知らなかった。


廉があまりにもチーズケーキを見つめているから、棚からフォークを出す。


『食べて良いよ、気になるんでしょう？』


私の言葉に何度も大きく頷く廉に、思わず笑みが零れる。
透明な蓋を取ってあげると、いろんな角度からケーキを見つめて。
フォークで大きく切り分けたケーキを、これまた大きな口を開けて頬張った。


廉「！！……なんなん、これ！めっちゃ美味い…っ！」


きゅっと目を閉じて味わう姿に私も嬉しくなる。
ケーキを頬張り、きつく目を閉じて喜ぶ…を繰り返す廉を眺めながら、私はチンしたオムライスを食べた。


いつもは味気なく感じるコンビニご飯も、廉が居ると美味しく感じた。



.

君のことを聞かせて。→←天使の君ができること。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す