初めまして、天使です。[Ren.N]

現実はそんなに甘くない。 ページ1

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来る日も来る日も仕事に追われる毎日。
平日は朝早くから夜遅くまで働き、週末は泥のように眠る日々。
こんな毎日を送る私に、キラキラした出逢いなんて一切ない。

そうは言っても、いつかは良い人と出逢って、結婚して奥さんになるんだろう。
仕事を辞めて専業主婦になるんだろうか。
それとも遣り甲斐のあるこの仕事を手離せずに兼業主婦？


妄想は広がるけれど、現実はそんなに甘くない。


まだ大丈夫、まだ大丈夫と思っていたら、周りの友達は殆どみんな結婚して。
気が付けば、私はしっかり“アラサー”と呼ばれる年になっていた。



今日は土曜日。
昨日の夜遅く、大きなプロジェクトの資料を作り終えて、久々に何も考えなくて良い週末。
そんな今日は特に予定もなく、時計が12時を過ぎても、ベッドから出ることができなかった。


『ううううーん……、お腹空いた。』



何度目か分からない「ぐうう」という空腹を知らせる音に、のろのろと身体を起こす。
………冷蔵庫の中、お水と缶ビールしか入ってないな。


もう一度、このまま眠ってしまおうか。
身体に掛かっている布団を暫く見つめるも、流石にこれは駄目だと思い直してベッドを降りた。



『何か買いに行かないと。』



亀にも抜かれるんじゃないかってくらい遅いスピードで洗面所へ向かい、歯磨きと洗顔。
たっぷり眠れたからか、お肌の調子はすこぶる良い。
鏡に映るつやっとした頬に満足そうに頷くと、近所を歩くスタイルに着替えて、いざ外へ。


最近は陽射しも強くなってきたし、日焼け防止にカーディガンを羽織る。
お財布とスマホだけ持って、玄関のドアを開けた。



このときの私は、数分後にこの世の出来事とは思えない事態に遭遇するなんて、知る由もなかった。



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空に舞う柔らかな羽根。→

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