知らなかった過去…。 ページ9
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目黒 side
刑事課にやってきたときは厚手のコートが手放せなかったのに、
茹だるような暑さも過ぎ去り、再びコートを出そうかな？と思う今日このごろ。
僕は苗字さんに、とある相談をしようと思った。
目黒「苗字さん、ちょっと良いですか？」
今日は今のところ、大きな事件もなく、デスクワークに励む。
苗字さんもデスクに向かって、パソコンのキーボードを叩いている。
苗字「うん。どうしたの？」
パソコンの画面から顔を上げて、ばっちり目が合う。
相変わらず、お綺麗だな…。
苗字さんの隣の桂さんは、ちょうど中井戸さんと外出中。
お邪魔します、と桂さんの席に座ると、膝を苗字さんのほうに向ける。
目黒「実は、昇進試験を受けようと思っていて。」
そうなんです。
僕の今の階級は、巡査長。
そろそろ巡査部長になるための昇進試験を考えていた。
せっかくだから、苗字さんに相談しよう。
そう思って、声を掛けたんだけど…。
多胡「おいおい。苗字はキャリア組なんだから。」
なんとなく聞こえていたんだろう。
係長が笑いながら話に入ってきて、重要且つ驚きな情報を口にした。
あ、そうなんだ。
キャリア組。
へえー、すごいな。キャリア組。
ええっ！キャリア組！？
苗字さん、キャリア組なの！？
多胡「まぁ、いろいろあって警察に入ったのが遅かったから、まだ警部補だけど。」
苗字警部の誕生も間近って感じだな、と付け足す係長。
いろいろあって、のいろいろも知らない。
そもそも、キャリア組だったことすら知らなかった…。
苗字さんを見遣ると、ちょっと気まずそうに眉を下げながら笑っている。
そっか、キャリア組の人に相談することじゃないのか…と席を立とうとしたら、
少し慌てたように僕の腕を掴む苗字さん。
苗字「でも今やっている仕事は目黒くんと変わらないし。
私で良かったら、話聞くよ。」
苗字さん…。
手が温かくて、一気に頬が熱くなってきました。
僕は、すっかり声を上擦らせながら、
「是非！話聞いてください！」と答えた。
係長は嗜めるように僕の名前を呼んでいたけれど、
そんなのはどうでも良いです！
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咲笑(プロフ) - 結と名乗る者（id: 361e8a8309）のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (
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作者名：咲笑 | 作成日時：2020年3月27日 20時
