気付き始めた、この気持ち。 ページ37
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名前 side
名前『お疲れ様でした。』
コートを羽織って、刑事課の部屋を出る。
今日はまだ時間が早いから…、たまには自炊でもしようかな。
そんなことを考えながら廊下を歩いていたら、今日は夜勤と言っていた中井戸さんと擦れ違った。
中井戸「お、名前ちゃん。お疲れ。」
名前『お疲れ様です。』
中井戸「今日は早く帰れるみたいで良かったな。」
名前『そうですね。たまにはのんびりします。』
それから軽く会話をして玄関へ向かおうとすると、そういえば…、と中井戸さんに呼び止められた。
振り返ると、中井戸さんは少しぎこちなく笑いながら距離を縮めてきた。
中井戸「名前ちゃん、最近めぐちゃんと飲みに行ったりしないん？」
そうだな、最近はめっきり。
最後に二人で飲んだのは…、確か目黒くんの昇進祝いだったかな。
名前『そういえば…、行ってないですね。』
中井戸「めぐちゃんも今日はもう上がりなはずやから、飯でも行ったらええやん！」
ちょっと呼んできたるわ！と部屋に走っていった中井戸さん。
勿論嫌ではないんだけど、このよく分からない気持ちを抱えたまま行くのは…と思う。
そう思っている間に、中井戸さんは目黒くんに話し掛ける声が聞こえてきた。
中井戸「めぐちゃん！今日なんか予定あんの？」
目黒「いえ、特には。あれ？でも中井戸さん、今日は夜勤じゃ…？」
中井戸「俺は夜勤や。予定ないなら名前ちゃんとどこか行ってきたらええやん。」
目黒「ええっ！？苗字さんと！？」
中井戸「入院中もいろいろお世話になったんやろ？ちゃんとお礼せなあかん。」
目黒「それは確かに…。」
話がどんどん進んでるな…。
なんか気まずい…、このまま帰っちゃおうかな。
こっそり玄関へ足を向けたとき……、
目黒「苗字さーん！」
リュックを背負って、こちらに走ってくる目黒くん。
目黒「苗字さん！今日予定ありますか？」
子犬のようにキラキラした目で見つめてくる。
この目に弱いんだよね…。
目黒「あの…、良かったら、ご飯行きませんか？」
入院中のお礼も全然できていないし…、と照れたように俯く目黒くんを見たら、断るなんて選択肢はない。
微笑みながら頷くと、目黒くんは花が咲いたように頬を緩めて、私の隣に並んだ。
こうして隣を歩くのは慣れているはずなのに。
どうしてこうもドキドキするんだろう。
私、もしかして、目黒くんのことを……。
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咲笑(プロフ) - 結と名乗る者（id: 361e8a8309）のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (
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作者名：咲笑 | 作成日時：2020年3月27日 20時
