予定外の告白。 ページ28
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目黒 side
目黒「僕、苗字さんのことが好きです。」
……あっ。
言ったあとに、僕は頭を抱えた。
いや、実際には身体があまり動かせないから、頭は抱えていないんだけど。
もっとロマンチックに告白する予定だったじゃないか、目黒。
僕が唯一知っている夜景スポットに行って、
そこで手を繋いで、苗字さんと向かい合う。
目黒「苗字さん、僕はあなたのことが好きです。」
名前「目黒くん…。」
目黒「僕とお付き合いしていただけませんか。」
名前「……嬉しい。私で良ければ。」
繋いだ手を引き寄せて、片手を苗字さんの髪に添えて。
ゆっくりと顔を近付けて、僕たちは初めてのキスを……。
はっ、完全に頭の中では恋人になっていた。
でも現状は、完全に見切り発車して、「好きだ」と伝えてしまった。
こんなはずじゃなかったのに……っ！
苗字さんのことが見られなくて、落ち着きなく視線を泳がせる。
そんな僕を見て、苗字さんは面白そうに笑い声を上げた。
名前「目黒くん、百面相みたい。」
さっきまで涙を零していた苗字さんだから、
笑ってくれたのは良かったなと思うけど…。
これって、返事を貰えたりするんでしょうか…？
再び苗字さんに視線を戻すと、繋いだ手を見つめながら言葉を紡いだ。
名前「目黒くんの気持ちは嬉しいけど…、私、ちょっと年上だよ。」
目黒「そんなこと、全然気にしません！」
もうどうにでもなれ！
そう思った僕は、腹を括った。
目黒元気、僕だって男だ。
今まで想像していた形とはだいぶ違うけれど、
ここは男らしく、苗字さんにちゃんと気持ちを伝えよう。
でも、現実は残酷だ。
タイミング悪く、苗字さんの携帯が震えて、着信を伝えている。
繋いでいた手はいとも簡単に解けて、
軽く「ごめんね。」と呟いた苗字さんは、病室を出て行った。
……え。
今の「ごめんね。」って、電話に出るからごめんね、だよね？
僕の告白に対する返事では……、ないよね…？
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咲笑(プロフ) - 結と名乗る者（id: 361e8a8309）のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (
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作者名：咲笑 | 作成日時：2020年3月27日 20時
