検索窓
今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:21,658 hit

目を覚ますと…、 ページ26

.



目黒 side



ふと意識が浮上して、ゆっくりと目を開ける。
白い天井をぼんやりと眺める。
なんだか脇腹に痺れるような、攣れているような感覚があって、眉を寄せた。
起きようと思ったけど、身体が重くて、諦めた。


……そうだ。
僕、苗字さんと一緒にいたときに刺されたんだ。
間違いなく田崎だろう。
あれから田崎はどうなったんだろうか。


身体はすっぽり布団に覆われている。
この傷の痛みが治まるまでは、おとなしくしていないと駄目だろうな。
もう…、また刑事課の皆さんに迷惑を掛けてしまった。


いろいろと考えていたときに、ふと気が付いたのは、
右手の温かさだった。




身体は大きく動かせないから、顔をゆっくりと向けると、
僕の右手を握り締めて、布団に突っ伏して眠る、苗字さんがいた。


もしかして、ずっとここにいてくれたの?


ど、どうしよう。嬉しい。
思わずもぞもぞしてしまったら、苗字さんはゆっくりと身体を起こした。
そして僕が目を開けていることに気が付くと、慌てて顔を寄せてきた。


名前「目黒くん、大丈夫?痛い…?」


ちょっと…、顔が近いです。

あ、あれ…?
なんか苗字さん、泣きそうな顔をしている…?


名前「目黒くん…、良かった…。」



目元が潤んできたと思ったら、頬に一筋涙が落ちる。
なんて綺麗な涙なんだろう。

こんなときに抱き締めたりできないのは残念だけど、
安心してもらえるように、僕はにっこりと笑みを浮かべた。


目黒「苗字さん、大丈夫です。」


思ったよりも声が掠れてしまっていたけれど、
僕の言葉に安心したように微笑んでくれた。

そして僕が意識を取り戻したのに、繋がれた手は離れない。
このまま離したくないから、こっそり力を込めた。



.

僕、あなたのことが…。→←君を思うこの気持ちは、



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.4/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

咲笑(プロフ) - 結と名乗る者(id: 361e8a8309)のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (レス) id: 00e1bb9bdb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:咲笑 | 作成日時:2020年3月27日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。