目黒、ピンチです。 ページ23
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目黒 side
あの悪夢のような事件から、4日が経った。
休日返上で非番の日も逃走した被疑者を追っているけれど、
行方はおろか、手掛かりすらなくて困っている。
僕はあの日、警察を辞めようと思った。
責任の取り方なんて分からないけれど、
「自分の首を懸けて」ってやつだ。
でもそれは違うと苗字さんに教えてもらった。
金城検事の「下っ端」発言は、正直堪えたけど、
僕なりにこの問題と向き合って、ちゃんと解決しようと思う。
今日も地検の近くをひたすら歩く。
被疑者の田崎自体がいなくても、目撃した人はいるかも知れない。
聞き込みをしたり、路地裏を歩いてみたりしていたら、
気が付けば、辺りは真っ暗になっていた。
はぁ……、今日も収穫なしか。
僕は何故か、前に苗字さんと来たかった夜景スポットへ来ていた。
苗字「あれ、目黒くん？」
聞こえてきた声のほうを見ると、そこには苗字さんが立っていた。
苗字さんもこの辺で聞き込みをしてくれていたそうだ。
苗字「目黒くん、今日非番なのに。」
そうなんです、僕は今日は非番。
でも家でのんびりなんてしていられなくて、こうして田崎を探している。
あれ…？
でももうこんな時間。
苗字さんこそ、定時を過ぎているんじゃ…？
目黒「苗字さんも探してくれているんですね…。」
僕の言葉に、苗字さんは夜景に視線を移しながら頷く。
苗字「早く目黒くんに元気になってもらいたいから。」
苗字さんの言葉が心に染みる。
こんなに優しい人が近くにいるなんて、僕はやっぱり幸せ者だ。
二人で夜景を横目に少し歩いたとき、
僕に最大のピンチがやってきた。
前から歩いてきた人が軽く僕の肩にぶつかった。
苗字さんはたいして気にしていないと思う。
僕も普段ならまったく気にしない。
でも今回は違った。
肩に小さな衝撃を感じたと同時に、
脇腹に一気に焼けるような熱さを感じた。
堪らずそこに手を添えると、生温かい液体が指の隙間から零れていく。
僕、刺された…？
苗字さんが何度も僕の名前を呼ぶ。
でも立っていられなくて、地面に膝を落とす。
大きく揺れる身体を苗字さんが抱き留めてくれた。
苗字さん、血で汚れてしまいますよ…。
離れようと思ったけれど、身体が重くて動けない。
一気に体温が下がっていくような感覚とぼやける視界が怖くて、
思わず手を宙に彷徨わせたら、苗字さんがしっかりと握り締めてくれた。
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咲笑(プロフ) - 結と名乗る者（id: 361e8a8309）のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (
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作者名：咲笑 | 作成日時：2020年3月27日 20時
