責任を取るということ。 ページ21
.
名前 side
取調室に入ってから、目黒くんはずっと思い詰めた顔をしていて。
俯いてばかりいる目黒くんを見つめて、いろいろと考えてみる。
目黒くんは、金城くんが乗り込んできたとき、
自分から謝ろうとはしていなかった。
係長に促されて、渋々…といった感じだった。
目黒くんの性格だったら。
自分が悪いと思ったら、一目散に走っていって謝るだろう。
それをしなかったのは何故…？
目黒くんに状況を細かく聞いてみよう。
何かあるはずだ。
『目黒くん。状況を……、』
目黒「苗字さん。僕は警察を辞めようと思います。」
聞こえてきた言葉に耳を疑った。
目黒「こうすることしか、責任を取れないと思って。」
目の前の机を見つめたまま、震える声で話す目黒くん。
辞表を、とかいろいろ言うけど、その言葉を遮った。
『それは違うよ、目黒くん。』
責任は、その場所から退けば果たされるものではないよ。
信頼を取り戻すこと。
いくら時間が掛かっても、諦めないこと。
そして、今ある問題を解決すること。
俯いていた目黒くんは顔を上げて、じっと私を見つめる。
『金城くんのことは、私がどうにかするから。』
取調室に設置されているマジックミラーの向こうでは、
きっと係長や金城くんがこちらを見ているだろう。
それでも構わない。
私は目黒くんの手をしっかりと握った。
『目黒くん、詳しく教えて。』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲笑(プロフ) - 結と名乗る者（id: 361e8a8309）のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (
レス) id: 00e1bb9bdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲笑 | 作成日時：2020年3月27日 20時
