目黒、警察を辞めようと思います。 ページ20
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目黒 side
震える手で携帯を取り出して、刑事課に電話を掛ける。
たまたま電話に出た苗字さんに状況を説明した。
きっと支離滅裂で、何を言っているのか分からなかっただろう。
でも苗字さんは変わらない調子で、
「ここに戻って来なさい。」と言った。
それから、どうやって刑事課に戻ったのか覚えていない。
刑事課には重い空気が立ち込めている。
係長は深刻そうな顔をして、落ち着きなく部屋を歩いている。
僕はただ俯いて、席に着いていた。
そのとき。
大きな足音を立てながら、金城検事が部屋に入ってきた。
慌てて係長が走り寄る。
多胡「金城検事、大変申し訳ございませんでした。」
係長に促されて、席から立ち上がり、一緒に頭を下げる。
確かに逃走した田崎を捕まえられなかったけれど、逃がしたのは僕じゃない。
金城「どういうことか、分かっていますか！」
係長と僕に大きな声で怒鳴る。
その声を聞きながら、更に深く頭を下げた。
そんなやり取りを、ただ黙って見ている苗字さん。
金城検事は、靴の音を響かせて、苗字さんに歩み寄った。
金城「苗字、責任を取れ。お前が上司なんだろう。」
その言葉を聞いて、僕は慌てて頭を上げた。
目黒「今回は僕が送検しました。」
金城「……。」
目黒「責任は僕にあり、苗字さんは関係ありません。」
金城「君のような下っ端が責任を取ったところで、誰が納得するんだ？」
その言葉に、何も返すことができなくなった。
僕のような下っ端が責任を取ると言っても、どうやって？
僕一人が警察を辞めたところで、組織は何も変わらないのか…。
金城「責任は、立場ある人間が取らないと意味がない。」
金城さんは再び苗字さんに向き合った。
金城「署長と係長、そして苗字の懲戒請求を申し立てる。」
一度に頭にいろいろな情報が入ってきて、完全に止まってしまった。
懲戒請求って、クビにしようとしているってこと？
それから係長は顔を真っ青にして頭を下げ続けていた。
そこでずっと黙っていた苗字さんが口を開く。
苗字「状況を正確に把握してから、報告致します。」
苗字「目黒巡査部長、取調室で事情聴取をします。」
取調室で苗字さんと向かい合う。
目黒「申し訳ありません…。」
苗字「今の状況では、目黒くんに落ち度があったのかすら分からない。」
だから詳しく聞かせて。
そう言った苗字さんに僕は伝えた。
目黒「僕、警察を辞めようと思います。」
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咲笑(プロフ) - 結と名乗る者（id: 361e8a8309）のコメントは、すべて削除致しました。感想と呼べるものではないコメントをいくつも一方的に残す行為は、悪質であり、異常としか言いようがありません。今後は私の作品の閲覧及びコメントを残す行為はおやめください。 (2023年4月22日 7時) (
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作者名：咲笑 | 作成日時：2020年3月27日 20時
