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第11話 ページ14

里香に、拒絶されてしまった。

そりゃそうだ。感情のまま憂太に触ろうとしてしまったのだから。

憂太は、里香は自分のことを誰かと間違えているんだと言った。

でも、きっと里香は私だと分かっての行動だったのだろう。

だってあの時憂太に抱いていた感情は、”幼馴染”では無かったのだから―――



心で深く反省しながら、Aは自分の部屋のベッドに寝っ転がった。


「もう、なんでこんな事になるのかなぁ...」


真希にだって、強く言い過ぎてしまった。

ただアドバイスをしてくれただけだったのに、八つ当たりして。

真希だって色々考えてくれてたんだろうな。


自分のたった一つの感情で、里香にも真希にも迷惑を掛けてる。

そして、憂太本人にも。

こんな事になるのなら、こんな感情―――

捨てちゃえ


Aは棚からハサミを取り出して、無造作に髪を切っていく。


「なーんだ、私がバカだったんだね。最初からこうしておけば良かったのに。」


毎日少しずつ、貯めてきた恋情。

それから開放された感じがして、Aは心が軽くなった気がした。


「な、んで、涙が出るんだよぉ...」


もう、好きなんかじゃない。

そんなこと分かってるのに、分かってるはずなのに、涙が零れ落ちる。



「五条、先生...硝子さん...パンダ...棘...真希...」

「ゆ、うた...」

「助けて...」


Aはボロボロと涙を流しながら、お世話になった人達の名前を呼ぶ。

助けてもらう資格なんて無いのに、口からみんなの名前がこぼれ出てしまった。

今の私を見たら、みんなどんな反応をするんだろうか。

惨めで哀れで、軽蔑されちゃうかな。



―――こんなんなら、好きにならなきゃ良かった。

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設定タグ:呪術廻戦 , 乙骨憂太 , 狗巻棘   
作品ジャンル:アニメ
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わっぱみがき#上弦の弐#万世極楽教 - 泣いた。全身の穴という穴、そして毛穴から涙がでた(?) (11月6日 15時) (レス) @page36 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Yuuken(プロフ) - 完結おつかれさまでした!!大好きな作品です! (2021年7月7日 17時) (レス) id: 2de2b68dcc (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 執筆お疲れ様です!いつも応援してます!!頑張って下さい‥!! (2021年7月7日 0時) (レス) id: 88c2d3353b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2021年6月13日 16時

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