どうも、乙骨憂太の幼馴染です (ページ1)

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前日譚1 ページ1

Aと憂太と里香は、幼馴染だった。

何をするにも三人、どこへ行っても三人。

誰かが傷ついたら守りに行くし、逆に自分が傷ついたら誰かが守ってくれる。

―――そういう関係だった。

「憂太と里香は、大人になったら結婚するの」

三人の関係が崩れる、恐ろしい一言。

だが、Aは心から祝福していた。

仲の良かった二人が愛し合い、結ばれる。

それほど嬉しいことは、多分この世に無い。

「じゃあAは、神父さんやる！」

Aのこの気持ちに、一切の偽りは無かった。

いつも助けてくれる里香、誰にも優しい憂太。

自分が落ち込んだりすると、二人共面倒くさがらずに慰めてくれた。

本当に、お似合いだ。

「ほんと？やったぁ！じゃあこれからも僕達”三人”は、ずーっと一緒だね！」

ずっとずっと、二人と一緒に居たい。

その気持ちは、二人に結ばれてほしいという気持ちとは別にあった。

いつかは私なんてどうでも良くなって、二人でどっかに行ってしまうかもしれない。

Aはそんな気持ちも少なからず抱いたが、すぐにどこかへ吹き飛んだ。

だって、里香と憂太はそんなことしないから。

「Aね、おっきくなったら三人でやりたい事いーっぱいあるの。
だから、絶対にみんなで色んな事して遊ぼうね！」

「里香も色んな事したい！みんなで衣装を着て、パーティーするの！
美味しいケーキに、美味しいご飯で！」

「僕、みんなでヒーローごっこしたい！」

それはいつもやってるじゃん、と言いながら三人で笑う。

こんな日がずっと続くなんて幸せだな、とAは思った。

―――あの日が来るまでは。