後輩のゴヌクくん (ページ45)

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もう酔いが覚めたのか急に俺の背中から降りて俺の前に立った

背中にあった心地よい重みがなくなり少し残念に思う

ゴヌク「歩けます？」

少しよろけてるけど大丈夫か？

俺の質問には答えずAさんが手を差し出してくる

　

『手ぐらいは繋ぐ？』

歳上の余裕を見せるかのように平然と言ってくる

その余裕そうな表情を崩したくなってしまう

俺でもっとドキドキすればいい

その手を取り指を1本ずつ絡ませていく

ゴヌク「酔っ払いはすぐ転けるので繋いであげます」

『ふふ…なにそれ笑もう酔っ払ってないもーん！』

手を繋いで歩けばニコニコして嬉しそうで可愛い

ゴヌク「俺以外の男にはこんなことしないでくださいよ」

『ゴヌクくんとしかしないよ』

思わず手に少し力が入る

Aさんをドキドキさせたいのに、結局俺だけ1人でドキドキしてしまう

Aさんが喋る一言一言に翻弄され、気付けば抜け出せなくなっている

『あ…もう家着いちゃった』

そうこうしているうちにあっという間にAさんの家に着いてしまった

ゴヌク「危ないので玄関まで送ります」

マンションの中に入り302号室の前で繋いでいた手を嫌々ながらも離す

ゴヌク「水飲んでいっぱい寝てくださいね」

『うん、わかった！送ってくれてありがとう！』

久しぶりに会えたから別れるのが惜しい

もっと一緒にいれたらいいのに

『…ゴヌクくん？』

俺が黙ったからか、Aさんが心配そうに覗き込んでくる

この可愛い人を今すぐ家に連れて帰りたい

『きゃっ！』

その衝動が思わず行動に出てしまい、Aさんを俺の腕の中に閉じ込めた

俺の半分ぐらいしかないような華奢な肩に顔を埋める

ゴヌク「またすぐ会いに行きます」

『うん、待ってるね』

俺の背中に腕が周る

背中が広いせいで腕が回りきれないのすら愛おしい