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「でも今は俺がいるだろ？」
「うん。
翔ちゃんに会えて本当に良かったって思ってる」
「智が俺のこと探してくれたんだもんな」
「うん。
最初は翔ちゃんのことを知りたいって・・・ただそれだけだった。
翔ちゃんがどんな人で、今までどんな人生を送ってきたのか知れたらそれでいいって」
智は自分の運命を呪っていた。
どうしてあんな男の息子として生きているのだろうと。
だから余計に俺に会いたいと思ったのかもしれない。
本当は自分が生きるはずの人生を俺がどう生きてきたのか知るために。
「俺が翔ちゃんに会ってみたいんだってまーくんに言ったら、まーくんは大反対だったよ。
今さら会ってどうするんだって言われた」
「まあ、普通はそう言うだろうな」
「でもどうしても会いたい気持ちが抑え切れなくて。
俺、一人で翔ちゃんを探すことにしたんだ。
昔の新聞記事を調べたり、当時の関係者に話を聞きに行ったり・・・。
養護施設なんて何か所訪ねたかな」
「そうだったのか」
智は父親に知られないよう、秘密裡に俺の居場所を探していたらしい。
バレれば今度こそ自由がなくなってしまうと思ったからだそうだ。
平日は事務所でいつも通り仕事をこなし、休みの日は俺を探して回った。
でもなかなか手がかりは掴めず、見兼ねた相葉が手伝いを買って出たのだと言う。
「最初は反対してたまーくんも休みの日は俺に付き合ってくれるようになって。
本当に心強かったよ」
智は優しい眼差しでそう言った。
きっと二人の間には長年に渡って培った強い絆があるのだろう。
「でもどんなに探しても見つからなくて。
気付けば一年以上経ってたよ。
もう最後のほうは執念に似た感覚で探してた」
「執念か・・・。
それはそれでちょっと怖えーな」
「だよね」
ようやく智に笑顔が戻る。
その顔を見て俺も少しホッとした。
相変わらず頭ん中は混乱してるけど。
「それからしばらくしてようやく手がかりが掴めたんだ」
「手がかり？」
智はウンと頷いた。
「ある養護施設を訪ねた時、親切な職員さんがいてね。
俺に教えてくれたんだよ・・・」
智が言うように、それはもはや執念だったのだと思う。
まさか智がそんな危険を犯してまで俺を探していただなんて・・・。
それはまさに智のイメージを覆すものだった。
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きよ(プロフ) - なつさんお疲れさまです。智くんと翔くんの生い立ちもですが、こんな用意周到に計画を立て実行する智くんに驚きです。でもやっぱり翔くんと出会ったら変わりますよねぇ。ましてやヒーローですもんね。智くんの心の変化を楽しみに待っています。 (2021年10月3日 8時) (
レス) @page24 id: 6c6ffed641 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - なつさんこんにちは！お言葉に甘えて早速きました！更新ありがとうございます！今回の智くんになんだかすごく安心しました^ ^計算だけでなくこれからは本当に翔くんと友達になりたくなるのかなって。この翔くんの登場には誰だってドキドキしますよねー‼︎^ ^ (2021年9月27日 14時) (レス) @page24 id: 4b882d58ca (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - はるさん» はるさん、こんばんは！切れ者の智くんですがこれから計画を実行することになります。でもそこには思わぬ落とし穴もあって・・・。いよいよ最終局面です。二人の行く末までどうかお付き合い下さいね！ (2021年9月26日 22時) (レス) id: 42fc626692 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - みいさん» みいさん、こんばんは！コメント大歓迎ですよ〜。やる気が出るし励みにもなりますから♪感想を読んで次回の参考にすることも多々あります。本当にいつも熱心に読んでもらえて感謝感激です。最後までどうか見届けて下さいね。 (2021年9月26日 22時) (レス) id: 42fc626692 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - なつさん、こんにちは😃なかなかの切れ者智ちゃんですね。２人の心情が複雑になるんだろうなぁ…。楽しみです！ (2021年9月25日 14時) (レス) @page22 id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2021年8月23日 23時
