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「ねえ、智くん」
全てを打ち明けてくれた翔くん。
彼は思い詰めたような表情で俺を見ていた。
「・・・うん？何？」
「一つ聞いていい？」
「何？」
「どうして・・・俺なんかに優しくしてくれたの？」
あの時どうしても聞けなかったから・・・と翔くんは遠慮がちに言う。
「どうしてって・・・そりゃ、翔くんのことが・・・」
そこで一瞬口を噤んで考えた。
俺はただ罪滅ぼしをしたかっただけなのか、それとも・・・。
翔くんが俺の眼の奥を探るように見る。
今にも泣き出しそうな顔をして。
「・・・ただのきまぐれ？」
「まさか！」
これだけははっきりと言える。
きまぐれなんかじゃない。
俺はただ翔くんのことが・・・。
「だったら・・・」
「確かに俺には翔くんに対して後ろめたい気持ちがあった。
でもそれ以上にやっぱり翔くんのことが好きだと思ったから・・・。
翔くんのこと、放っておけなかった」
「そっか・・・そうだったんだ」
そこで翔くんはふうっとため息を吐き、「俺と智くんって似た者同士だったんだね」とようやく笑った。
彼は俺に対して罪悪感を抱えながら記憶のないフリを続けてきた。
俺もまた、彼に対して罪悪感を抱えながら過去の過ちを隠し続けた。
互いに後ろめたい気持ちがあったなんて。
翔くんの言う通り、俺たちって似た者同士だ。
「智くん」
「何？」
「やっぱり智くんのことが好きなんだ」
だから・・・俺たち、もう一回最初からやり直せないかな？」
遠慮がちにそう言った翔くん。
その声はとても緊張しているようだった。
だから俺はわざと明るく答えたみた。
「それじゃあ・・・よし、やり直してみっか！」
「なんか、すっごくライトだなぁ」
翔くんは嬉しそうにクスクス笑った。
お互い葛藤ばかりでずいぶん遠回りしてしまったけどさ。
俺たち、きっとこれで良かったんだよ。
うん。
「それにしてもさ」
「え？」
「翔くんって演技がウマいよな。
俺、完全に騙されたもんなぁ」
まさか記憶喪失が全部演技だったなんてね。
「泣きの芝居なんてホントにお見事だったよ」
「そ、そうかな？」
「そうだって！
全然見抜けなかったよ、俺」
「アハハハ・・・」
話し方とかちょっとした仕草や表情とか。
ありゃアカデミー賞モンだよ。
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花咲*(プロフ) - なつさん^_^大好きなお話また、読み返して萌を頂いてます。このお話も大好き。 (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - まったりやさん» まったりやさん、こんばんは！レスが遅くなってスミマセン！！しばらくツクを開いておりませんでした(-_-;)ゴメンナサイ。さてさて。なんとか完結しましたが、最後はあの方たちも再登場でドタバタでした（笑）楽しんでもらえたのなら良かった♪最後までありがとう！ (2020年3月8日 22時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
まったりや(プロフ) - なつさん、完結＆後日談、ありがとうございます。レジェンド御一行に再開できてお礼も伝えられて良かった良かった。リアルの雑音（？）もある中ですが、なつさんの描く物語には癒やしと楽しさがまさに泉の如く溢れていますね。でもなつさん、無理はしないでくださいね。 (2020年2月27日 13時) (レス) id: 4ac657099e (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - じゅーくろーさん» じゅーくろーさん、こんばんは！こちらこそ最後までお付き合いありがとうございました！潤くんには少しかわいそうな展開でしたが、今は心から二人を祝福してくれているでしょう。やっぱり山はハッピーエンドじゃないと！！ (2020年2月19日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 葉子さん» 葉子さん、こんばんは！やっとやっと完結！最後までお付き合いありがとうございました♪なんとかハッピーエンド。山はやっぱりこうでなくちゃ！！過去作品も読んで下さってありがとうございます。今度感想教えて下さいね☆ (2020年2月19日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2019年11月14日 0時
