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だけど・・・。
「・・・誰？」
決して罪悪感がなかったわけではない。
むしろ、こんな卑怯な手を使って申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
でもあともう少しだけ。
「この方とどういうご関係ですか？」
先生が彼に聞いた。
ねえ、俺のことどう思っているの？
今でも俺のこと好き？
衝動的に別れてしまったこと、少しは後悔した？
本当は俺とまたやり直したいって思ってくれてるんだよね？
だから会いに来てくれたんでしょう？
ドキンドキンと早鐘を打つ心臓を抑えながら彼の答えを待つ。
当然、「別れた恋人です」と言うのだと思ったのに。
「彼は・・・櫻井翔くんは・・・僕の友達です」
智くんは俺を友達だと言った。
智くんは今でも俺のことを・・・と思っていたのは単なる自分の思い上がりで。
過去に俺たちが付き合っていたという事実さえもないものになっていた。
「おーい、翔くん」
少しだけ開いたドアのすき間から智くんがひょっこりと顔を覗かせる。
目が合うと、彼は優しく微笑み中へ入って来た。
「今日は調子はどう？」
言いながら彼はベッドの横の丸椅子に座り俺の顔を覗き込んだ。
あれからなぜか智くんは毎日仕事帰りに俺の病室を見舞うようになった。
残業の少ない職場とは言え、家とは逆方向のここに寄るのはしんどいことだと思う。
なぜ顔見知り程度の友達に成り下がった俺をここまで気遣うのか。
その理由が分からず、俺は未だに智くんに本当のことを言えずにいた。
「ずいぶん顔色は良くなったね」
智くんは俺の顔を見て嬉しそうに笑う。
「早く傷もキレイになればいいのに。
せっかくのイケメンが台無しだもんねぇ」
付き合っていた時でさえ顔立ちを褒められたことなんてなかった。
智くんはそういうのを言葉にするのが苦手で、イチャイチャしたりするのも好きではなかった。
俺と違って人見知りなせいか、そんなに口数も多くないはずなのに。
ここを訪れる彼はなぜかいつも饒舌だった。
「今日はねぇ、外はすっげー暑かった！
逆にここも空調はバッチリだけど・・・あ、寒くない？」
俺がウンと頷けば、彼もウンと頷き返す。
「寒かったら言ってよ？
温度上げるからさ」
「だい、じょ・・・ぶ」
智くんは一瞬切なそうな顔をして、それを隠すように俺の頭を撫でてくれた。
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花咲*(プロフ) - なつさん^_^大好きなお話また、読み返して萌を頂いてます。このお話も大好き。 (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - まったりやさん» まったりやさん、こんばんは！レスが遅くなってスミマセン！！しばらくツクを開いておりませんでした(-_-;)ゴメンナサイ。さてさて。なんとか完結しましたが、最後はあの方たちも再登場でドタバタでした（笑）楽しんでもらえたのなら良かった♪最後までありがとう！ (2020年3月8日 22時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
まったりや(プロフ) - なつさん、完結＆後日談、ありがとうございます。レジェンド御一行に再開できてお礼も伝えられて良かった良かった。リアルの雑音（？）もある中ですが、なつさんの描く物語には癒やしと楽しさがまさに泉の如く溢れていますね。でもなつさん、無理はしないでくださいね。 (2020年2月27日 13時) (レス) id: 4ac657099e (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - じゅーくろーさん» じゅーくろーさん、こんばんは！こちらこそ最後までお付き合いありがとうございました！潤くんには少しかわいそうな展開でしたが、今は心から二人を祝福してくれているでしょう。やっぱり山はハッピーエンドじゃないと！！ (2020年2月19日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 葉子さん» 葉子さん、こんばんは！やっとやっと完結！最後までお付き合いありがとうございました♪なんとかハッピーエンド。山はやっぱりこうでなくちゃ！！過去作品も読んで下さってありがとうございます。今度感想教えて下さいね☆ (2020年2月19日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2019年11月14日 0時
