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「ねえ、翔くん。
結局、その怪しい二人組って何者だったんだ？」
えっと・・・三田さんと権田原さんだっけ？
「さあ・・・俺も分からずじまいだよ」
マジか。
「レジェンドだの妄想女子だの、俺にはその人たちの言ってる意味が全然分かんないよ」
「だよね・・・」
翔くんは曖昧に笑った。
翔くんを助けてくれたという二人組。
存在があまりにも強烈過ぎて、俺は呆気に取られた。
しかも彼女らの言動は全くもって意味不明。
例の若手俳優の事故のように、目撃者がメディアに取り上げられて英雄気取りになるのならまだ分かる。
でも彼女らはそうじゃない。
怪我人そっちのけで妄想(何の？)に夢中になり、風のように去って行ったのだ。
「世の中いろんな人がいるもんだね」
「世界は俺たちが思ってる以上に広いってことなんだよ」
それでも助けてくれたことには間違いない。
彼女らがいなかったら、翔くんはどうなってたことか。
そういう意味では感謝しかないんだけど・・・。
なんだかなぁ。
「で、それから三田さんたちとは？」
「もちろんそれっきりだよ。
本当は助けてもらったお礼がしたいんだけど、連絡先も知らないしね」
「へえ・・・」
「とにかく自分たちには時間がないってしきりに言ってたよ。
何がそこまで彼女らを駆り立ててたのかは知らないけどさ」
「そう・・・」
妄想女子って奥が深い・・・。
「それで？」
「え？」
「搬送後の話だよ。
救急車に乗せられてそのまま気を失ったんだろ？」
「ああ、話の続きね？」
「そうそう」
三田さんと権田原さんの話題ですっかり話が逸れたけど、問題はその後、翔くんがなぜ記憶喪失を装ったかということだ。
ここまでの話から、三田さんたちの妄想話が元になっているのは想像ついたけど。
「本当はちょっと騙してすぐネタバラシするつもりだったんだ。
智くんのこと、驚かせてやろうと思って。
でもどうしても言い出せなかった・・・」
「どうして？」
なぜかと尋ねると、翔くんは俺の頬に自分の右手をそっと添えた。
切なさそうな目で俺を見ている。
そんな目で見るなよ、と思った。
「どうしてって聞いてるだろ」
キュッとなる心を鎮めながらぶっきら棒に問うと、少しの間を置いて彼は涙ぐみながら答えた。
「智くんがあんまり優しかったから・・・。
だから俺は本当のことが言えなかったんだよ」
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花咲*(プロフ) - なつさん^_^大好きなお話また、読み返して萌を頂いてます。このお話も大好き。 (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - まったりやさん» まったりやさん、こんばんは！レスが遅くなってスミマセン！！しばらくツクを開いておりませんでした(-_-;)ゴメンナサイ。さてさて。なんとか完結しましたが、最後はあの方たちも再登場でドタバタでした（笑）楽しんでもらえたのなら良かった♪最後までありがとう！ (2020年3月8日 22時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
まったりや(プロフ) - なつさん、完結＆後日談、ありがとうございます。レジェンド御一行に再開できてお礼も伝えられて良かった良かった。リアルの雑音（？）もある中ですが、なつさんの描く物語には癒やしと楽しさがまさに泉の如く溢れていますね。でもなつさん、無理はしないでくださいね。 (2020年2月27日 13時) (レス) id: 4ac657099e (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - じゅーくろーさん» じゅーくろーさん、こんばんは！こちらこそ最後までお付き合いありがとうございました！潤くんには少しかわいそうな展開でしたが、今は心から二人を祝福してくれているでしょう。やっぱり山はハッピーエンドじゃないと！！ (2020年2月19日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 葉子さん» 葉子さん、こんばんは！やっとやっと完結！最後までお付き合いありがとうございました♪なんとかハッピーエンド。山はやっぱりこうでなくちゃ！！過去作品も読んで下さってありがとうございます。今度感想教えて下さいね☆ (2020年2月19日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2019年11月14日 0時
