9 ≪the past≫ ページ9
「ん？
アンタらお知り合い？」
潤が俺と和服姿の客を交互に見ながら尋ねる。
「いや、知り合いって言うか・・・」
ただ一回話をしただけで。
それもほんの短い時間。
俺は簡単に事情を話した。
「へぇ〜。
そんなことがあった訳ね」
潤は「偶然にも程がある」と驚いていたけど、俺だってビックリした。
こんなこともあるんだって。
「そういうことなら、どうぞここ座って下さいよ」
スッと席を立った潤。
そしてその空いた席、つまり俺の隣に座るように勧めた。
彼は「でも・・・」と戸惑っていた。
店の時計にチラッと目を遣り、申し訳なさそうな顔をする。
「いいからいいから。これも何かの縁だし。
な？智」
突然話を振られ、俺は「うん」と小さく答える。
「では、遠慮なく・・・」
恐縮しながら彼は俺の隣に座った。
「しょうが焼き定食をお願いします」
彼が頼んだのは俺と同じメニュー。
「しょうが焼きね？了解。
それ、うちの看板メニュー」
潤が嬉しそうに答えると、彼はコクンと頷く。
「グルメサイトの口コミでこちらを知って・・・。
一度食べてみたかったんです」
「そりゃありがたいねぇ。
ところでお客さん・・・」
「はい？」
「なんで着物？」
聞かれた彼は自分の着物に目を落とすと「ああ」と声を漏らして潤に言う。
「今日はこの近くの会館でイベントをやっていたんです」
「イベント？」
「はい。
実家が呉服屋を営んでいまして・・・。
今日はその展示会だったんです」
「へえ〜、呉服屋さんかぁ。
やっぱり呉服屋さんはプライベートでも着物なんだ？」
手際よくフライパンを振る潤。
彼に興味津々なのか料理をしながら質問攻めだ。
それに対して俺は二人の会話をビールをちびちび飲みながら聞いていた。
初対面の人と話すのはどうも苦手だ。
まあ、正確に言えば初対面ではないけども・・・。
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なつ(プロフ) - ちたさん» ちたさん、おはよう！少しずつ二人の過去が分かってきましたが、まだまだ謎が多くて(笑)事の真相は もう少し先で。でもちたさん名探偵だからなんとなく分かってますよね？？ (2019年6月8日 6時) (
レス) id: c9214b2a41 (このIDを非表示/違反報告)
ちた(プロフ) - なつさん☆遂に心を通わせた昔の登場ですね。それにしても、こんなに素敵な二人なのに…。この後、二人に何があったのか！気になる！ (2019年6月6日 23時) (レス) id: 07a929c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - smsさん» smsさん、こんばんは！二人の過去、やっぱり気になりますよね〜。徐々に分かってくるのでもうしばしお待ちを！更新遅めですが、最後までどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2019年6月5日 22時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
sms(プロフ) - なつさん。おはよう！更新ありがとう！読むたびに、ますます気になって仕方がない。何がこの2人にはあったのか。この先も楽しみに更新待ってまーす！ (2019年6月3日 6時) (レス) id: 0c7cc7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - はるさん» はるさん、こんばんは！二人の過去に何があって、この先どうなるのか。ちょっとドキドキしますよね。このオハナシ、気に入ってもらえているようで、私も嬉しいです！！ありがとう♪ (2019年6月3日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2019年5月7日 15時
