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「大野さーん・・・」
「なんだよ」
「暇ですね」
「だな」
俺たちは座敷に並んで寝転がり、網戸越しに空を眺めていた。
「空が青いですね」
「だな」
「入道雲が美味そうですね」
「アホか」
「あれ見てると無性にソフトクリームが食べたくなりません？」
「いちいち声に出して言うなよ。
こっちまで食べたくなるだろうが！」
「だってぇ・・・」
真っ白なソフトクリームみたいな入道雲。
青い空をバックにクルクルと渦を巻いている。
ああ、今すぐにでも食べたい。
「・・・あ！」
「そう言えばっ！！」
二人同時にガバッと起き上がり顔を見合わせる。
「コンビニに売ってましたよね！？」
「あったあった！」
大野さんが我先にと立ち上がって「戸締りよろしく」と俺に向かって鍵を投げた。
「えっ、えぇ？」
鍵を受け取り困惑する俺なんてお構いなしに大野さんはダッシュで外に出て行った。
俺も置いてかれぬよう、慌てて戸締りをして外に駆け出す。
「おっせぇよ！」
大野さんはすでに自転車の荷台に跨ってスタンバイしていた。
「え〜！
俺が漕ぐんですか〜？」
ここは公平を期してジャンケンにしましょうよ。
「こういうのは早いモン勝ちなんだよっ」
「そんなあ・・・」
この暑い中、自転車の後ろに人を乗せて走るなんて地獄だ。
それなのに大野さんは早く早くと俺を急かす。
・・・あなた、正気ですか？
不満に思いながらも大野さんには頭が上がらない俺は渋々サドルに跨る。
「思いっきり飛ばせよ？」
・・・あなたそんなにドＳでしたっけ？
「あーーーーーーっもう！
しっかり掴まってて下さいよ！
超音速で飛ばしますからーーーーーっ」
こうなったらもうヤケクソ。
「もっとスピード上げろや！」
「ガッテン承知！」
ジリジリと日が照りつける中、俺は田舎道を飛ばす。
大野さんは荷台から転げ落ちないよう俺の背中にしがみ付く。
触れ合った背中が妙にくすぐったくて照れ臭い。
いい大人が平日の真昼間から自転車に二人乗り。
大騒ぎしながら田舎道を疾走してる。
「行け行けーーーー！
「だあぁーーーーーーーーーーーーーっ！」
思いっきりペダルを踏んだ。
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なつ(プロフ) - まったりやさん» まったりやさん、こちらにも感想をありがとうございます！この話はとても気に入っているので、やっぱり最後はハッピーエンド。しかも最後の最後に（笑）新作のほうはまたテイストが違いますが、そちらのほうも楽しんで頂けると嬉しいです！ (2017年5月11日 12時) (
レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
まったりや(プロフ) - 時期を逃した感が凄くて恥ずかしながら…。完結お疲れ様でした！ありがとうございました！笑ったと思えば切なくなりつつ、でもハッピーエンド…。はぁ〜やっぱりなつさんのお話好きです。これからも応援しています！ (2017年5月10日 12時) (レス) id: 6d900dafd3 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - まーりーさん» まーりーさん、最後までお付き合い下さってありがとうございました！最後までどちらに転ぶか分からない展開でしたが、最後の最後でやっと♪文庫本でほしいとは見に余るお言葉！ありがとうございます！！ (2017年4月5日 0時) (レス) id: c9214b2a41 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 虹空さん» 虹空さん、最後まで読んで下さってありがとうございました！しかも更新を心待ちにしてくれて嬉しい限りです。ニノのシーンを気に入ってもらえたのはすごく意外でした！ (2017年4月5日 0時) (レス) id: c9214b2a41 (このIDを非表示/違反報告)
まーりー(プロフ) - なつさん！お疲れ様でした！少し来てない間に完結してました〜！後半雲行きが怪しくなってきたので、どうかハッピーエンドで終わりますように！と思いながら読んでおりましたが、無事にハッピーエンドで大大満足です♪文庫本で欲しいくらい！次も楽しみにしてます！ (2017年4月4日 2時) (レス) id: 4ae3cb9273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2017年3月6日 0時
