249 < Side O > ページ6
白いカーテンを開けてベッドのほうを見ると、櫻井がイビキをかきながら寝ていた。
「グーー・・・ンガー・・・シュピピピピピ・・・」
地鳴りのようなそのイビキにいつもならイライラさせられるのに、今日ばかりは安心してしまった。
ベッドの脇にパイプ椅子を持って来て櫻井の寝顔を眺める。
大の字になって寝ている櫻井にいい気なもんだよな、と思った。
「心配させるなよ・・・」
ベッドの外に投げ出した手を取ってギュッと握ると、櫻井の眉がわずかに動く。
でも起きる気配はなかった。
どうして俺なんだろうと思う。
こんな無愛想な俺のどこがいいんだか・・・。
でもコイツはそんな俺のことをいつも全力で好きだと言ってくれた。
オジギソウのくせに生意気なんだよ、とは思うけど・・・次は俺の番なのかな。
寝顔を見ながらそんなことを考えていると、メールの受信音が鳴った。
『おーちゃん、お疲れ〜！
時間のことは気にしなくていいから。
美味しいコーヒー淹れて待ってるね』
相葉ちゃんからだった。
良かったと安心し、すぐに返信。
『ごめん、助かる』
フリックしているところに「ちょっといいかな」と医師がカーテンの外から声をかけた。
「はい」
「十分ほど席を外すけどいいかな？」
ひょっこりと顔だけだし俺に聞く。
「ええ、どうぞ」
「じゃあ、ちょっとだけ留守番、お願いしますね」
「はい」
医師はニッコリ笑って頷き、医務室を出て行った。
俺と櫻井。
二人だけの医務室に櫻井のイビキが響く。
あまりにもうるさくてキュッと鼻を摘まんでみると、その騒音は止まった。
睡眠不足だと医師は言っていたけど、ここ最近、仕事はそんなに忙しくなかったはず。
だったらコイツが眠れなかった理由は明白だ。
「ごめんな」
目にかかりそうな櫻井の前髪を払ってそのまま頭をそっと撫でる。
すると仰向けだった櫻井が寝返りを打ってこちらに顔を向けた。
その瞬間、心臓がドキンと跳ねる。
今までコイツの寝顔なんて何度も見てきた。
それなのに妙にドキドキしている自分が不思議だ。
医務室に二人きりというシチュエーションのせいなのか、コイツの端正な顔立ちのせいなのか・・・。
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なつ(プロフ) - Aireneさん» Aireneさん、おはようございます！翔さんにとって苦しい展開になってきました。次回からいよいよ最終章です。二人に試練の春が訪れますよ！なんとか感情追いついてきて〜！！ (2017年1月18日 8時) (
レス) id: c9214b2a41 (このIDを非表示/違反報告)
Airene(プロフ) - 今までの展開で一番胸が苦しいです…泣きながら走る翔さんの姿を想像するだけで涙が溢れてきました…どうか自分を見失わないで大野さんの心を繋ぎとめて欲しいです…なつさんの作品は喜怒哀楽の表現が豊富で感情が追いつきません！( ；∀；) 更新が待ち遠しいです！笑 (2017年1月17日 22時) (レス) id: 589352e60f (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 緒直さん» 緒直さん、はじめまして！コメントありがとうございます♪ほかの作品も読んで下さったんですね、嬉しい！！しかも一気読みとか嬉し過ぎる・・・。幸せの絶頂からの急展開。最後までどうぞお付き合い下さいね！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 花咲*さん» 花咲*さん、コメントありがとうです！まさかの展開です。一体二人はどんな関係なのかお楽しみに！これからもハラハラドキドキしちゃって下さいね♪翔さん頑張れー！！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - さとぽんさん» さとぽんさん、こんにちは！いよいよ物語も佳境に入って参りました。これから二人の間に大きな試練が待っています。先輩とＪはどんな関係なのか・・・乞うご期待くださいね♪次章でいよいよ完結です！！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2016年11月17日 2時
