259 < Side O > ページ16
「大野さん・・・」
ようやく唇を離してお互い見つめ合うこと数秒。
櫻井が切なそうな目をして俺を呼ぶ。
「なんだよ」
「好きです」
「さっきも聞いたし」
「何度でも言ってたいんです」
「あ、そう」
わざと冷たくあしらうと櫻井は笑いながら「相変わらずツレナイなあ」と呟く。
しょうがねえだろ。
そういう性格なんだから。
「でも・・・そういうところも好きです」
「お前、めげないんだな」
「しょうがないでしょう？
そういう性格なんですから」
同じこと言ってやがる。
それが妙にツボにはまちまって思わず吹き出してしまった俺を櫻井は不思議そうに見ていた。
やっぱりこの男・・・マジで面白いわ。
「大野さん、今日は泊まっていってもいいですか？」
櫻井が濡れた髪をタオルで拭きながら風呂からあがってきた。
「別にどうでもいいけど。
つうかさ、そのつもりで風呂に入ったんじゃねえの？」
「あ、それもそうですね」
少々、天然ボケな櫻井に呆れて返す言葉もない。
あれから腹が減った俺たちは二人でカップラーメンを食べた。
櫻井は「大野さんと一緒に食べるとカップラーメンもこんなに美味しいんですね」と、いたく感動していていた。
そんな櫻井を可愛いと思ってしまったのはアイツには内緒の話。
口に出したら大騒ぎするから、絶対。
そして各々風呂に入り今に至る。
「じゃあ、今日は泊まっていきます」
「どうぞ」
「はい・・・」
そう言って嬉しそうに笑う櫻井をまたしても可愛いと思った。
ダメだなあ・・・このままだと・・・。
「何、読んでたんですか？」
ソファに座って雑誌を読んでいた俺の隣に櫻井が腰を下ろす。
「ああ、『文秋』ですね？
何か大きなネタが載ってました？」
このままだと・・・。
「大野さん？」
黙ったままの俺を櫻井が訝しげに見る。
俺は膝の上に広げていた雑誌を閉じて櫻井のほうに体ごと向き直った。
「えっ？えぇ？」
不意打ちの強引なキスに櫻井は目を白黒させていた。
そんなのお構いなしにそのまま押し倒す。
櫻井は突然のことにジタバタしていた。
そりゃあそうだろう。
俺がここまでアグレッシブなことってなかったし。
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なつ(プロフ) - Aireneさん» Aireneさん、おはようございます！翔さんにとって苦しい展開になってきました。次回からいよいよ最終章です。二人に試練の春が訪れますよ！なんとか感情追いついてきて〜！！ (2017年1月18日 8時) (
レス) id: c9214b2a41 (このIDを非表示/違反報告)
Airene(プロフ) - 今までの展開で一番胸が苦しいです…泣きながら走る翔さんの姿を想像するだけで涙が溢れてきました…どうか自分を見失わないで大野さんの心を繋ぎとめて欲しいです…なつさんの作品は喜怒哀楽の表現が豊富で感情が追いつきません！( ；∀；) 更新が待ち遠しいです！笑 (2017年1月17日 22時) (レス) id: 589352e60f (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 緒直さん» 緒直さん、はじめまして！コメントありがとうございます♪ほかの作品も読んで下さったんですね、嬉しい！！しかも一気読みとか嬉し過ぎる・・・。幸せの絶頂からの急展開。最後までどうぞお付き合い下さいね！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 花咲*さん» 花咲*さん、コメントありがとうです！まさかの展開です。一体二人はどんな関係なのかお楽しみに！これからもハラハラドキドキしちゃって下さいね♪翔さん頑張れー！！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - さとぽんさん» さとぽんさん、こんにちは！いよいよ物語も佳境に入って参りました。これから二人の間に大きな試練が待っています。先輩とＪはどんな関係なのか・・・乞うご期待くださいね♪次章でいよいよ完結です！！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2016年11月17日 2時
