256 < Side O > ページ13
雪がしんしんと降る中、二人で手を繋いで歩いた帰り道。
街のどこからかクリスマスソングが聞こえた。
それに聞き入るようにお互い何も話さなかった。
でも繋いだ手から櫻井の感情がヒシヒシと伝わってくる。
俺のことが好きで好きでしょうがないって。
それに応えるように手にギュッと力を込めると、それに気付いた櫻井が同じ力で握り返してきた。
そして二人で帰ったわが家。
久々に訪れたこの場所に落ち着かないのか、さっきから櫻井は挙動不審だった。
「大野さん・・・」
「どうした？」
エアコンの電源を入れながら返事をすると、櫻井はオドオドしながらも必死な笑顔で言う。
「今日は医務室に来てくれてありがとうございました」
「別に・・・ただどんなアホ面で寝てるのか見に行っただけ」
「・・・そ、そうなんですね・・・あはは」
あーあ、思いっきり顔が引きつってる・・・。
「寝不足だったらしいな」
「ええ、まあ・・・」
「どうして？」
「どうしてって・・・」
ソファに座り、答えに戸惑っている櫻井を手招きする。
櫻井がおずおずと隣に腰を下ろしたと同時に体をヤツのほうに向けてその目をじっと見つめた。
その視線に櫻井の顔がみるみる赤くなる。
「寝不足になるくらい俺のこと考えてた・・・とか？」
「だからそれは・・・」
「はっきり言えよ」
顔を至近距離まで近付けてもう一度問う。
「そうですね・・・いつも大野さんのことを考えてました。
ずっと会えずにいたので寂しかったです・・・」
観念したように白状した櫻井に胸の奥がキュッと痛んだ。
「へえ・・・そうなんだ」
「はい・・・」
「ふうん・・・」
口では平静を装ってみる。
でも・・・。
ああ、もう無理だなあ。
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なつ(プロフ) - Aireneさん» Aireneさん、おはようございます！翔さんにとって苦しい展開になってきました。次回からいよいよ最終章です。二人に試練の春が訪れますよ！なんとか感情追いついてきて〜！！ (2017年1月18日 8時) (
レス) id: c9214b2a41 (このIDを非表示/違反報告)
Airene(プロフ) - 今までの展開で一番胸が苦しいです…泣きながら走る翔さんの姿を想像するだけで涙が溢れてきました…どうか自分を見失わないで大野さんの心を繋ぎとめて欲しいです…なつさんの作品は喜怒哀楽の表現が豊富で感情が追いつきません！( ；∀；) 更新が待ち遠しいです！笑 (2017年1月17日 22時) (レス) id: 589352e60f (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 緒直さん» 緒直さん、はじめまして！コメントありがとうございます♪ほかの作品も読んで下さったんですね、嬉しい！！しかも一気読みとか嬉し過ぎる・・・。幸せの絶頂からの急展開。最後までどうぞお付き合い下さいね！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 花咲*さん» 花咲*さん、コメントありがとうです！まさかの展開です。一体二人はどんな関係なのかお楽しみに！これからもハラハラドキドキしちゃって下さいね♪翔さん頑張れー！！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - さとぽんさん» さとぽんさん、こんにちは！いよいよ物語も佳境に入って参りました。これから二人の間に大きな試練が待っています。先輩とＪはどんな関係なのか・・・乞うご期待くださいね♪次章でいよいよ完結です！！ (2017年1月17日 13時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2016年11月17日 2時
