157 ページ11
「おーちゃーーーん、櫻井くーーーん！
待ってたよぉーーー！！」
数メートル先。
メイン会場の前で相葉さんが両手を大きく振りながら俺たちを呼んだ。
相変わらず人懐っこくて元気な人だ。
「今日も元気がいいなあ、相葉ちゃんは」
隣を歩く大野さんはクスクス笑いながら、相葉さんに向かって小さく手を振り返した。
そんな些細なことにも嫉妬してしまう俺っていかがなもんなんだって思う。
大野さんと相葉さんは『フローラ』の取材を通して知り合った。
お互いの第一印象は最悪だったと聞いている。
でも今ではなんでも相談し合える仲なのだそうだ。
あんまり仲が良いので、てっきり二人はお付き合いをしているんだと勘違いしてしまったほど。
だからなのだと思う。
相葉さんに嫉妬してしまうのは。
大野さんは相葉さんにはなんでも話すのに、俺にはあまり多くを語らないから。
そんな自分が惨めで情けない・・・。
「相葉さん、お久しぶりです」
「遠いところまで来てくれてありがとう！
櫻井くん、長旅で疲れたでしょ？」
「全然。
もう朝からワクワクしっぱなしで」
「そう？
それなら良かった！本当にお疲れさま」
相葉さんはいつもの太陽みたいな笑顔で俺に話すと、チラッと大野さんを一瞥して言う。
「おーちゃんは・・・まあ、いっか」
「なんだよ、それ」
「だってもうここの取材も四回目だし別に労いの言葉もいらないでしょ」
「少しは労えよ」
「ヤダ！
そういう愛想のない人には言いたくない！！」
相葉さんが大野さんに向かってベーッと舌を出すと、大野さんはフンとそっぽを向く。
そして一瞬の間を置いて二人してプッと吹き出して笑い合った。
この絶妙なノリと軽口の叩き合い。
出来るもんなら俺も大野さんとやってみたい・・・。
まあ、俺が大野さんに軽口を叩いてみても「あっそ・・・だから？」で終わるのは目に見えてるけど。
ああ・・・想像しただけで泣ける・・・。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつ(プロフ) - keiさん» keiさん、はじめまして！コメントありがとうございます。ローストビーフに玉ねぎ・・・楽しんでいただけて光栄です♪現在、次パート移行の準備をしているので続きはもう少しお待ちくださいね。これからまた波乱の予感の二人です！！どうぞお付き合い下さい☆ (2016年10月3日 21時) (
レス) id: 444c2780d4 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - ﾊｼﾞﾒﾏｼﾃ。このお話楽しみにしていて、更新に気づかずﾊﾟｰﾃｨｰのところから一気読みしました！贅沢ー！そして、ﾛｰｽﾄﾋﾞｰﾌに玉ねぎ...爆！ﾍﾀﾚ翔君が可愛くて。ﾂﾝﾃﾞﾚ智君が愛しくて。ここにきて積極的な大野ｻﾝにﾄﾞｷﾄﾞｷです( ´艸｀) (2016年9月30日 19時) (レス) id: c3893fc157 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - はるさん» はるさん！悶絶しちゃたんですね？しかも続きを楽しみにしてもらえて嬉しい限りです！！これからもツンデレな先輩とそれに振り回されている後輩くんををどうぞよろしくお願いします。 (2016年9月26日 0時) (レス) id: 444c2780d4 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ayakoさん» ayakoさん！先輩が少しずつ積極的になってきました。まだ肝心な言葉は言ってくれませんが(笑)これからもう一波乱、二波乱ありそうな感じです。続きもドキドキワクワクしながら読んでもらえると嬉しいです♪ (2016年9月26日 0時) (レス) id: 444c2780d4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - なつさん、こんにちは！なんでしょう！大野さんのツンデレ具合が！一人で悶絶しています。続きが楽しみです(^-^) (2016年9月25日 10時) (レス) id: 2e57ade7fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつ
| 作成日時：2016年8月5日 21時
