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ソファの上で思う存分、飛び跳ねた智くん。
「あー、もう疲れた！」
そのままソファにごろんと横になり目をつぶった。
なんなの？
この自由過ぎる人は。
「智くん、あなた松本さんのとこにいるんじゃなかったの？」
恐る恐る尋ねてみた。
「だからさっき言ったじゃん！
脱走してきたって」
「脱走って・・・。
どういうこと？」
もしかして俺に会いたくなって帰って来た・・・とか？
「あの家は色々と問題が多過ぎる」
「は？問題？？」
すると智くんはパチッと目を開けて体を起こした。
「潤のうちのソファね、なんか高級の革張りの硬いソファなんだよね〜。
もう寝心地が悪くって」
ん？
寝心地の問題？
「でね、飛び跳ねようとしたら潤に怒られた。
その顔が鬼みたいに怖くてさ」
え？
松本さんの人相が問題？
「しかもアイツね、ナルシストだから家中に鏡があって。
ギラギラして眩しいの」
眩しいのが問題？
それともナルシストなのが問題？
「とにかく問題が多過ぎてもう無理だって思ったんだよね。
こっちにいるほうが気がラク」
えっと・・・。
つまり単にあなたは松本さんちの居心地が悪くて塞ぎ込んでたってことね。
で、向こうにいるよりはここにいるほうがマシって訳で逃げて来たんだね。
なるほど、なるほど。
「あのね、智くん。
もうきっと智くんに会うことはないんだろうなって思って、ここ二、三日センチメンタルな気分に浸ってたんだよね。
その時間返してくれる？」
「ん？翔くん・・・何言ってんの？
言ってる意味が全然分かんないんだけど」
智くんは口を尖らせてすこぶる不満そうな顔をしている。
なんならその不満顔、そっくりそのままお返ししますけど。
やっぱりこの人と一緒にいると疲れる・・・。
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作者名：なつ
| 作成日時：2015年12月13日 14時
