良い子になんてならない…<登坂広臣>… 2 (ページ37)

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あ「……………いたっ」

さっきから縫ってはいるものの……

手を捻ったおかげで手元はおぼつかず

少し縫っては指をさして出血の繰り返し

もう絆創膏だらけだ

あ「……間に合わな………どしよ……」

これは私の失態だ

いや破ったのはリナちゃんだけど

そんな言い訳許される世界じゃない

衣装が本番までにちゃんと用意できなければそれは私の責任……

あ「………………もう………！」

涙が出て来た

痛くて

焦って

悔しくて

この状況に負けてる事が悔しくて

健「さえこちゃん」

あ「…あ！ごめんなさいまだできて…な……」

そこまでで言葉が詰まって出てこない

健「手、怪我してるんとちゃう？」

あ「あ、ちょっと手滑っちゃってさしちゃって…」

健「ちゃう、そうやなくて捻ったんとちゃう？」

………え

健「普通のさえこちゃんやったらこんなに絆創膏だらけになるはずないやん

さっき捻ってもうたんやろ」

あ「…………」

健「そないに一人で抱え込まんでもええやん

大丈夫や、こんくらい俺がなんとかしたる

やからそんなとこで一人で泣かんといてや」