超能力38 立ち上がれ ページ39
「訳わかんない事言ってないで早くくたばりなさい」
深海王が圧力を掛けるように無免ライダーに言う。彼の口から鋭く光る牙と、血のように真っ赤な舌が覗いた。とても恐ろしく、見ている者全てが怯む。
誰の目から見ても、C級ヒーローである無免ライダーに勝ち目は無かった。しかし＿＿＿
「頑張れぇええええ！！」
「無免ライダー頑張れぇえええ！！！」
「そいつをやっつけてくれ！！」
「あんたが頼りなんだよぉおおおおっ！！！」
「勝ってくれぇえ！！」
腹の底から息を吸い込み、これでもかと言う程声を張り上げる。シェルターから人々は、深海王への恐怖を払い除けるように思い切り叫んだのだ。
一寸先は全て闇だった。しかし、その混沌とした闇の中に、微かに光があった。
無免ライダーの雄姿に感化された人々は、最後の希望を彼に託した。
「ぬぅおおおおおあああ！！！！！」
シェルターの人々の為にも、深海王に屈してしまったヒーローの為にも、自分がやらなければ。
声援にこたえるように、彼も同じく声を張り上げた。
＿＿＿だが、それでもまだ敵わない。
ドゴォッ！！
鈍い殴打の音共に、辺りは一斉に静まり返る。
「無駄でしたぁ」
凶悪な笑みを浮かべ、深海王は拳を握った。そう、己の力で、無免ライダーを捻じ伏せたのだ。
しかし、いつまで経っても彼は地面に伏さぬではないか。
ふと深海王が下を見てみれば、いつの間にかハゲ頭のヒーローが無免ライダーを支えている。
「よくやった。ナイスファイト」
サイタマだった。
彼は気を失った無免ライダーに声を掛ける。その顔は何処か清々しさを感じさせるものだった。
「ま〜たゴミがしゃしゃり出てきたわねぇ」
倒したばかりなのに、また新しいヒーローが登場することが許せないのか、苛々したような様子を見せる深海王。彼の眼に睨まれれば敵う者は少ない。しかし、それさえ気に留めないのか、はたまた聞こえていないのか、サイタマは全く彼を視界に入れようとはしていなかった。
戦った無免ライダーを、サイタマはそっと地面へ寝かせる。
そして、次に彼の目に入ったのは、雨に濡れた壊れかけの弟子と、グズグズと泣き顔の幼馴染だった。
「お、おいジェノス！おま...、生きてんのかそれ！？」
「先...生...」
「Aも、何泣いてんだよ」
「うっさいわね！雨のせいよ！」
噛みつく元気はあるが、両者ともにどこか辛そうな表情をしていた。こうなれば、やるのはただ一つしかないだろう。
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りょんみょ - 続きめちゃくちゃ楽しみに待ってます！何度読み返しても面白い作品なので更新待ってます！無理せず投稿してください！ (2021年7月2日 23時) (
レス) id: fa046c7faf (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - すっっごく面白いです！！個人的に主人公の性格が好きです(笑)更新楽しみにしてます！作者さんのペースで頑張ってください！！応援してます！m(_ _)m (2020年5月26日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
鬼姫海咲 - 続きが…みたい…！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 5b9b2060aa (このIDを非表示/違反報告)
面白い！！！ - すごい面白いです！！！！続きがすごく気になります.........！！！更新頑張ってください！ (2018年8月22日 21時) (レス) id: 319344e928 (このIDを非表示/違反報告)
y07(プロフ) - リコさん» 面白く感じて頂けたなら幸いでございます！サイタマかっこいいですよね( *´艸｀)更新はマイペースに頑張ります！コメントありがとうございました！ (2018年6月23日 16時) (レス) id: 39439d4efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：y07 x他1人 | 作成日時：2017年8月3日 23時
