超能力25 破壊 ページ25
「ジェノス君...」
「先生と共に、生きていてくれないか...、A」
へたり込んだジェノス君は、目を伏せて静かに私に言った。彼の言葉に息を呑む。バングさんはただじっと私たちを見守っているだけだった。
そんな、何で諦めちゃうの？仮に逃げられたとしても私とサイタマだけ生き残っても意味無いじゃない。今まで３人そろってずっといたじゃない。簡単に、そんなこと言わないで。
貴方もいなくちゃ、ダメなのよ。
悲しくなって、胸がキュッと締まる。この場にいる全員が、絶望の淵に立たされたときのことだった。
「じいさん、こいつら任せるぞ」
不意に聞こえた声。振り返ると、相変わらず締まりのない顔をしたサイタマがいるではないか。
「だ！誰じゃねキミは...！」
隕石を見上げ、不敵に笑うそいつは、さながら光のように見えた。
「俺はヒーローをやっている者だ。避難してな、じいさん」
何でも無いようにへらりと笑っているもんだから、つい期待してしまう。
コイツが、隕石を全部ぶっ壊してくれるんじゃないかって。下手したらサイタマも死んじゃうかもしれないのに、浅ましく思ってしまうのだ。
どうか、救って欲しいと。
「情けねぇ顔してんじゃねーぞ。A」
ポン、と頭に手を置かれる。こんな状況なのに、何だか凄くホッとしてしまって、涙が両目から溢れる。ああ、本当に私って情けない。
しっかりしなきゃいけないのに、ヒーローなのに、結局サイタマたちに頼ってしまう。
ぐずぐずと泣いてる私を余所に、サイタマは思い切り地上から飛び立った。
ドンッ！！と破裂にも似たような音を立てて、空高く上昇する。サイタマの踏み台になったこのビルは衝撃に耐えられなかったのか、メキメキと音を立てて全体的に大きな亀裂が生てゆく。
「先生！？」
サイタマの飛翔にジェノス君も目を見開いて驚いていた。
やがてサイタマが隕石の下へ寄ってゆく。そして、そのまま拳で立ち向かったのだ。
「俺の町に、落ちてんじゃ＿＿」
うそ、もしかして、あのまま隕石を砕くんじゃ...、
「ねえ！！！」
叫び声と共に、サイタマの渾身の一撃で巨大な隕石が一気にバラバラに砕けて行く。大きな轟音と眩い閃光は、想像を超えていた。
「砕きおった！信じられん！」
「はあ！？嘘でしょ！？」
度肝を抜かれた。
人間離れした行動に、心配とか焦りとかそう言う感情を忘れ、ただただ驚くしかない。未だに空で起こった喜劇を、信じられないでいる。
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りょんみょ - 続きめちゃくちゃ楽しみに待ってます！何度読み返しても面白い作品なので更新待ってます！無理せず投稿してください！ (2021年7月2日 23時) (
レス) id: fa046c7faf (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - すっっごく面白いです！！個人的に主人公の性格が好きです(笑)更新楽しみにしてます！作者さんのペースで頑張ってください！！応援してます！m(_ _)m (2020年5月26日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
鬼姫海咲 - 続きが…みたい…！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 5b9b2060aa (このIDを非表示/違反報告)
面白い！！！ - すごい面白いです！！！！続きがすごく気になります.........！！！更新頑張ってください！ (2018年8月22日 21時) (レス) id: 319344e928 (このIDを非表示/違反報告)
y07(プロフ) - リコさん» 面白く感じて頂けたなら幸いでございます！サイタマかっこいいですよね( *´艸｀)更新はマイペースに頑張ります！コメントありがとうございました！ (2018年6月23日 16時) (レス) id: 39439d4efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：y07 x他1人 | 作成日時：2017年8月3日 23時
