超能力15 さようなら ページ16
ヒーローになって数日。その日の私はとてもうきうきしていた。
何と、私はA級賞金首とB級賞金首を倒したのだ。賞金の金額の総額はなんと300万。流石にマンションは買えないが、アパートを借りて暫くは暮らせそうだ。
兄の知り合いがZ市でアパートの大家をしている。既に話をしてあるので荷物を持っていけば住める状態だ。
元々人が全く住んでいないので、家賃もサービスという事で格安で提供してくれるらしい。1LDKという素晴らしい部屋。大家さんが優しい人で良かった。
もうサイタマの家ともおさらばね。何だか少し寂しい気もするけどまあいいや。
「ちょっと聞いてよジェノス君、サイタマ！」
「先生、今日の夕飯はカレーでいいでしょうか？」
「おう。俺辛口が好きだからちょっと辛くしてくれ」
「流石です先生！ヒーローたる者、味覚も鍛え上げろという事ですね！勉強になります！」
「いや聞けよ前ら！！関心無さ過ぎだろ！！」
私の呼びかけは無視して結構どうでも良い夕飯の話をするジェノス君とサイタマ。まだ昼にすらなってないじゃん。バリバリ午前じゃん。まだ9時半じゃん。一時間前に朝ご飯食べたばっかじゃん。
「何だA。煩いぞ。10字以内に簡潔にまとめてこい」
「さようなら。はい十字以内」
「ああ。一生戻って来るなよ」
「元気でなー」
「少しは戸惑いなさいよアンタら」
思いの外さっぱりし過ぎて逆に清々しいくらいだわ畜生。あれ？何だか視界が霞んできたわ。
「先生、盛り塩を置いておきましょうか？」
「アンタ本当に私のこと嫌いなのね！あーはいはい出て行くわよ畜生！」
もうやけくそになって先程購入したキャリーバッグに荷物を詰める。
くそったれ、こんな薄情者がいる家なんか出て行ってやる...！泣いて懇願したって絶対行くんだからね！私の決意はダイヤの様に硬く輝くものなんだからね！
何だかもう悲しくなって涙目になった。最近歳のせいか泣きやすくなった気がする。
「ホントに出てくのか？」
「そうよ！何か文句でもあるの！？」
少ない荷物をまとめて私は乱暴に扉を閉めて出て行った。ジェノス君とサイタマのくそったれぇえええっ！！！
*
「本当に出て行きやがった。Aのやつ」
「きっとすぐ泣きついて戻ってくる筈です」
少々心配そうな顔をしたサイタマとジェノスであった。
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りょんみょ - 続きめちゃくちゃ楽しみに待ってます！何度読み返しても面白い作品なので更新待ってます！無理せず投稿してください！ (2021年7月2日 23時) (
レス) id: fa046c7faf (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - すっっごく面白いです！！個人的に主人公の性格が好きです(笑)更新楽しみにしてます！作者さんのペースで頑張ってください！！応援してます！m(_ _)m (2020年5月26日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
鬼姫海咲 - 続きが…みたい…！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 5b9b2060aa (このIDを非表示/違反報告)
面白い！！！ - すごい面白いです！！！！続きがすごく気になります.........！！！更新頑張ってください！ (2018年8月22日 21時) (レス) id: 319344e928 (このIDを非表示/違反報告)
y07(プロフ) - リコさん» 面白く感じて頂けたなら幸いでございます！サイタマかっこいいですよね( *´艸｀)更新はマイペースに頑張ります！コメントありがとうございました！ (2018年6月23日 16時) (レス) id: 39439d4efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：y07 x他1人 | 作成日時：2017年8月3日 23時
