独立独歩のえいりあん 2 (ページ8)

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どうせ頼れる友達もサクラバはいなさそうだし、スリザリンだから他の寮にもそういう奴はいないだろう。なら、俺がその頼れる人1号になってやろうではないか。異国の地で孤独は辛いだろうから。

これはほんの同情心だ。俺たち仲間に初の女子メンバーとして入れてやろう。
そう思って俺はルームメイトであり親友でもある奴らに打ち明けることにした。

「どうだ？仲間に入れてやらねぇか？」
「えー、スリザリンでしかもお猿ちゃんを？」
「僕は特に異論はないよ。その子を知らないけど」
「ぼ、僕は嫌かな…。仮にも、スリザリンだし…」
「ちぇっ、賛成派はリーマスだけかよ」

と言ってもリーマスはあまり関心が無いのか教科書を読んでいるだけであった。
俺の意見が気に食わないのか、ジェームズは唇を尖らせた。

「だって嫌われ者のスリザリンはお仲間同士でジメジメ団結するんだよ？そのうち彼女にも味方はできるよ。よって、僕らの出る幕は無し！」
「僕もそう思う…」
「まあ、そう言われればそうかもしれねぇけどよ」

確かにスリザリンは寮内での団結力は無駄にある。
しかし、そこでも嫌われてたら？爪弾きにあっていたら？

そう考えると放っておくのも酷な気がする。しかし、仲間に入れるにはまずこいつらを納得させなければいけない。どうしたもんか。

「あ」
「どうしたんだい相棒？」
「分かったぜ、ジェームズ、ピーター」

そうだ、俺が先に仲良くなって、2人にサクラバは無害だと見せればいいのだ。そうすりゃ説得をしなくとも納得するだろう。

そうと決まれば、あとは行動あるのみだ。

次はちょうど昼休みで大広間にて昼食をとる時間だ。早速サクラバに声を掛けよう。

＊

「おい、サクラバ」

周りがガヤガヤと煩い中1人で孤独に歩くサクラバに声を掛けてやる。しかし、奴は反応しない。無視して歩みを進めている。

横にいたジェームズが「何だよ感じ悪いなぁ」とボヤいていた。

「やっぱり仲間にする価値なんて無いよシリウス」
「いや、聴こえてないだけかもしれねぇし…」

そう思って再び声をかける。

「なぁおい、サクラバって」

ピタリ。奴は足を止めた。しかし、こちらを振り向こうとしない。その行動に俺も何だか苛々が募ってきた。何だよ、俺が折角親切に声をかけてるのに。

怒りが爆発して俺は堪らず怒鳴った。

「おい聞いてんのかよイエローモンキー！」
「おん？」

漸く振り向いた奴の表情は、ぽかんと間抜けだった。
後の展開は、まあ、お察しの通りだ。