独立独歩のえいりあん 2 (ページ5)

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大学パロとあけおめの話　ページ5

大学は冬休みに入り、私は単独で日本に暮らしている祖父母の家で歳を越すことにした。

ガ○使を観ながら年越し蕎麦を食べ、無事新年を迎えておやすみしたその日の朝のことだった。チャイムが鳴ったので玄関へ出ると、頭に雪を被り、鼻頭を赤くした友人がいた。

「Happy New Year！A！来ちゃった」
「は、はっぴーにゅーいやー、いや来ちゃったっていう気軽なレベルじゃないよリーマス。てか、え？ブラックと2人できたの？」
「流石に大人数だと迷惑からな。メンバーはアミダクジで決めた」
「リリーが悔しがってたよ。あ、これ負け組からの手紙」
「負け組って…。意外と酷いねリーマス」

リーマスから手渡されたのは数枚の手紙たち。封筒にはリリーたちの名前があった。後で有り難く読もう。
封筒を見つめながらそう考えていると、祖父が間延びした掛け声と共にやってきた。

「A～、何じょしとんだぁ。寒いべ、中さ入れぃ。あ？誰だこの人たちは」

あまり見慣れないのか、外国人を見て祖父は目を丸くした。首を傾げる祖父に、ブラックは「アー、こ、コンニチワ」と軽く頭を下げる。リーマスも続いて会釈した。

「爺ちゃん、この人たちは大学の友達」
「あ～、そういうこどか。ほら何だべ早く中さ入れ。雪降ってっから寒いべ。上がれ上がれ」
「はいよー」

私の友達と分かった瞬間に祖父は顔を綻ばせ、家の中へと手招きする。
言葉は通じずともジェスチャーで意思は伝わったのか、ブラックとリーマスは顔を見合わせ笑っていた。

「寒いから家に入れってさー」
「ありがと。お前の爺さん、何か変な喋り方だったな」
「訛りだよ。イギリス訛りと一緒。あ、靴は脱いでね」
「はは、家の中で靴を脱ぐって何か落ち着かないね。ソワソワしてしまうよ」

家に上がった2人は、イギリスでは珍しい木造建築をキョロキョロと忙しなく見渡した。あまりにもジロジロ見られるものだから、何だか恥ずかしい気分だ。

長い廊下を渡り、居間まで案内すると、祖父が既に炬燵で温まりながら熱燗と一緒にお雑煮を食べていた。朝から酒かよ。

因みにこの家は掘り炬燵なので、これなら2人も足が痺れることはないだろう。

「さ、炬燵に入ってあったまりましょー」
「入っていいの？」
「勿論！居心地最高なんだから」

先に掘り炬燵に入って見せる。すると、それに倣って2人もおずおずと炬燵へインした。

「確かにこれは快適だね」
「俺こっから出たくねー」

喜んでもらえたようで何よりである。