独立独歩のえいりあん 2 (ページ3)

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いつ薬品が変な魔力反応を起こして爆発するのか冷や冷やしたが、存外何も起こらずにいる。
グツグツと泡を立てて煮える鍋をかき混ぜながら、私は考える。「あれ？これ誤魔化せるんじゃね？」と。
隣のマルフォイも安心したように深く息を吐いた。

「ひとまずは大丈夫そうだな」
「だねー」

とりあえず何事も起こらないことに安堵していると、遠くの方でボン！という爆発音が聞こえた。位置的にグリフィンドールら辺だろう。
チラリと見れば、顔を真っ青にしたネビルがセブルスに怒鳴られていた。

「馬鹿者！何故分量を守らなかったのだ！」
「す、すいません…！」
「我輩の説明がそれ程までに理解に時間を要するものだったかね？」
「いえ、」
「ならば何故説明通りに出来ん？貴様は基本中の基本も出来んのか？グリフィンドール5点減点だ」

あーあ可哀想に。心の中で合掌していると、また再び爆発音が。今度はスリザリンだ。
セブルスは目を鋭く光らせ、大股で爆発を起こした生徒の元へと向かう。そしてネビルの時と同じように怒鳴った。

聞き耳を立ててると、やはり計量に関するミスによる爆発だった。

「あっちもちゃんと分量通りにやらなかったせいか…。ねえ、これ、ヤバいんじゃない…？」
「かもしれないな……」

サァ…と全身から血の気が引き、顔を青褪めさせる。
そしてマルフォイとお互いに顔を見合わせ、鍋をかき混ぜる手を止めたその時だった。

ボン！！！

「危ない！」
「ひぇっ！」

失敗した2組よりも大きな爆発が目の前の鍋で起こった。
幸いにもマルフォイが私の手を引き鍋から距離を取らせてくれたため、怪我にはならなかった。
しかしアンモニアのような独特な匂いが鼻を突き抜け、思わず顔を顰める。

「う、おぇっ」
「あんまり吸い込むな！ほら、ハンカチだ」

マルフォイのシルクでできた純白のハンカチを無理やり鼻に押し付けられる。
あれマルフォイってこんなに気遣いできるキャラだっけ！？

キャラのギャップと失敗で少しパニックになりかけていると、後ろからいきなり頭をスパン！と何かで叩かれた。

「Ms.サクラバ。これは一体どういうことだ？」
「あーっと、これはですね…」
「先程材料を用意していたのは貴様だな？サクラバ」
「は、はは、やだなぁ先生ってば生理ですか？カリカリしすぎですって」

「ちょっと最低！」とハーマイオニーのブーイングが向こうから飛んできた。すまん。

「サクラバ、分かっているな？」
「はい、残ります…」
「よろしい」