独立独歩のえいりあん 2 (ページ2)

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スネイプ先生にしばかれる話ページ2

今日の魔法薬学の授業は、グリフィンドールとの合同授業であった。
何の魔法薬を作るのかはセブルスの説明を真面目に聞いていなかったせいで分からないが、取り敢えず自由にペアを組んで調合するらしい。

ガヤガヤと周りが席を立ってそれぞれでペアを見つけている中、私の席にはマルフォイが直々にやってきた。

「A、組むぞ」
「アー、私よりパーキンソンが組みたがってるっぽいよ」
「彼女は他のペアを見つけられるだろう」
「ねえそれ私にぼっちって言ってる？」

まあ実際ぼっちである。
スリザリンで話す相手などマルフォイくらいしかいない。金ローの映画で観たままの彼を見つけ、ミーハーよろしくしつこく絡みまくった結果がこれだ。
嫌われてると思いきや意外にもマルフォイは私を受け入れた。彼はスリザリンの人間には寛容なのかもしれない。

パーキンソンの鋭い視線を一身に受けながら、私はマルフォイとペアを組んだ。

「僕が器具を用意するから、Aは材料を持ってきてくれ」
「あいあいさー」

セブルスの説明を思い出し、記憶と行動を繋げるように材料を選んで計る。魔法薬学は苦手だが一応この範囲は履修済みだ。何とかなるだろう。

材料となる鉱物や植物をすり潰した粉を薬匙でペッペッと鍋に入れる。すると、ちょうど横にいたハリーが怪訝そうな顔で私を見た。

「サクラバ、それ、ちゃんと計ったの？」
「ほぼ勘」
「僕が見ても分かるくらい夜露草の粉末が多すぎだと思う…」
「私の第六感が大丈夫って言ってる」
「ハーマイオニーだったらキレてるよ、この量…」
「え、そんなに？」
「悲鳴あげるかも」

そこまで言われて私はようやく初めて「あれ、これやらかした？」と自身を疑った。
だがしかし、一度他の薬品と混ぜたものはもう取り除けない。粉状のものなら尚のことだ。つまり、どのみちこの材料と量で魔法薬を作るしかないのである。

「えーっと…、僕のと交換する…？」
「ハリーは優しいね。ありがとう。気持ちだけ受け取っとく」

流石に何の非もないハリーがハーマイオニーにブチギレられるのは理不尽で可哀想なのでお断りさせていただいた。

セブルスの雷が落ちることを覚悟し、私は渋々マルフォイがいる席へと戻って行った。
きっと怒りの矛先は彼にも向くだろう。私とペアになったばっかりに…。

心の中で「アーメン」と呟いた。うち仏教だけど。

「……本当にこの計量で合ってるのか？」
「マルフォイ、堕ちる時は一緒だよ」
「は？」