絵描きとエフェボ ページ48
サクラバと同居し始めて早1週間。
サクラバは近所の中年夫婦が営む八百屋でアルバイトをしている。その夫婦はダンブルドアの知り合いで、マグル界で生活してはいるが実は魔法族だとか。何故魔法を捨ててまでマグルの中に紛れ込むのだろうか。今の俺にはあまり理解できない。
店主である旦那は気前がいい人物らしく、売れ残り物や形が少し歪で売れなかった野菜と果物をよくサクラバに譲ってくれている。食費が浮くのでサクラバは大喜びだ。
アルバイトと家事をそつなくこなすサクラバに対し、俺は日がな一日家にいるだけだ。何だか不甲斐ない。まあサクラバが何も言ってこないので良いのだろう(申し訳ないが)。
それは置いといて、サクラバは仕事が休みの日は近所にある広場で似顔絵描きの仕事を好んでしている。日曜日の今日も、あいつは鼻歌交じりに家を画材を抱えて出て行った。
「それじゃ、行ってきまーす」
「おう」
サクラバの腕に抱えられた新たなスケッチブックを見るたび少し心が痛むが、サクラバが楽しそうにしているのなら良かった。
安堵から俺の口から欠伸が出た。さてすっかり見慣れたテレビでも観るかとスイッチに手を掛けてふと思う。あいつはどのようにして絵を描いてるのだろうか。
芸術に関して疎い俺だが、少し興味を惹かれた。そうと決まればやることは1つだ。
俺はパジャマから手早く私服へと着替えて、サクラバがいる広場へと向かった。勿論家の鍵はしっかり掛けた。
＊
休日ということもあり、広場は子供や観光客で賑わっていた。あちこちにある小さな屋台からは空腹を刺激するような匂いが漂う。良い匂いに一瞬気をとられたが、すぐに本題を思い出し、俺はサクラバがいないかあちこちをキョロキョロと忙しなく見渡した。
目で探して数分、あいつは真ん中にある噴水に腰掛けて客らしき相手の顔を見ながら筆を動かしていた。日本人は小柄だから余計に見つけにくい。
近づく前にサクラバたちを観察してみる。客はブロンドヘアの若い男だ。年は20歳前後だろうか。脚を優雅に組んで顔立ちも中々のハンサムだ。何だこいつ何かムカつくな。
さりげなくサクラバたちに近づき、俺は噴水に腰掛け会話を盗み聞きした。
「日本人はよく手先が器用だと聞くよ。そんな人に描いてもらえるなんて光栄だよ」
「ありがとうございます。ハンサムに描くんで、楽しみにしててください」
「勿論さ！」
そう言った客はサクラバの膝を何の断りもなく撫でた。ロリコンかよ死ね。
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
