決定的な仲違い ページ36
セブルスたちの口論から早いもので数ヶ月が経った。年は明けて冬も明けて、春ももうすぐ終わろうとしている。
あれからセブルスとの会話を何度も試みたが、セブルス本人から避けられ続け、全て無意味に終わっている。
私が思ったよりセブルスの心の傷はずっと癒えないままだった。
もう何をすればいいのか分からない。私が距離を詰めすぎたのが行けなかったのだろうか。
取り敢えずまだそっとしておこう。そう思った私は、セブルスのもとへ行くことを止めた。
＊
4年生も終盤に差し掛かってきた5月の下旬。相変わらず私とセブルスの仲は治らないままであった。
リリーが私のためにセブルスに駆け寄ってくれたらしいが、セブルスは私の話題になると口を閉ざすので、もうお手上げの状態だそうだ。リリーにもセブルスにもなんだか申し訳ない。
人間関係でこれほどまでに真剣に悩んだのは何年ぶりだろうか。
毎日出るのはため息ばかりで、空回りしかしない自分に苛々が募る。食欲も湧かず、眠れない日々が続いているため、マリーちゃんにも心配される始末だ。
「マリーちゃん、ちょっと外で絵を描いてくるねー」
「そう、いいんじゃないかしら。行ってらっしゃい」
塞ぎ込んでばかりでは気が滅入ってしまう。私は気晴らしに風景画を描きに、スケッチブックと画材たちを抱えて湖がある外へと向かった。
久々に訪れたそこは相変わらず静かで、私以外の人間は誰もいなかった。湖に目を向ければ、空を映した湖面がとても美しい。
風に吹かれ流れる雲を、スケッチブックを広げながらボーッと眺める。
鉛筆を持ち無意識に手を進めていると、不意にトントンと誰かに肩を叩かれた。
「よっ」
振り返ると、ブラックがそこにいた。
「ブラック。どうしてここに？てか授業は？」
「サボった。あんな簡単な授業なんか受けたって仕方ねぇだろ」
「うっわ出ましたよブラック天才発言」
流石ポッターと1位、2位を争っているだけある。
天才肌の彼からすれば、授業など退屈以外他ならないのだろう。凡人以下の私には理解できないが。
「お前こそどうしたんだよ。心此処にあらずって顔だな」
「なんかそれ、前にリリーにも言われた気がする」
初めてバタービールを飲んだあの日を思い出す。
思えば、あの時からセブルスとの仲は歪になり始めていたのかもしれない。
自分で進んで嫌なことを思い出し、また溜息をついていると、ふと横に座ったブラックが私のスケッチブックを覗き込み、怪訝そうな顔をした。
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
