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「私のために怒ってくれてありがとう。でも、本当にいいんだよ」
エイブリーの胸ぐらをがっしりと掴んでいるリーマスの手を、少し強引に離す。
リーマスは納得がいかないような表情をしているのに対して、エイブリーは意地悪くニヤニヤと私を見下ろした。
「なんだ、今日はやけにしおらしいな、Miss.モンキー」
「あんたみたいな奴に構ってたらキリが無いわ」
このホグワーツで悪口や陰口、差別など私からすれば日常茶飯事だ。一つ一つに真面目に返していたらそれこそキリが無いし精神的に参ってしまう。
ホグワーツに限らず、どんな場所でも差別はある。時と場合にもよるが、このような輩は無視をするのが自分が一番傷つかないで済むのだ。
「ほら、もう少しで消灯時間だよ。監督生に点数引かれる前に戻れば？」
「お前もな、サクラバ」
エイブリーは私の肩を軽くドンと突き飛ばした。私には少し衝撃が強く、思わず「うわっ」と声を上げてよろめいてしまう。それを満足げに見た彼は、詫びることもなくローブを翻してさっさと男子寮の方へと戻っていった。
腹立つなーあのガキ。何たる憎たらしさ。やっぱりリーマスの手を止めなけりゃ良かったとすら思ってしまう。
舌打ちをしながらエイブリーを見送った後、私はリーマスの方へと向き合った。
「私たちも戻ろっか。リーマスの場合、グリフィンドールの寮はここから遠いし、早く戻った方が良いんじゃない？」
「そうだね、そうするよ」
リーマスが頷いたところで、私も女子寮へと戻ろうと踵を返したところだった。不意にリーマスの大きな手によって私の手首をグイっと捕まれる。
急に何事かと思い、私はリーマスの方へと振り向いた。彼は、何やら必死そうな顔でこちらを見ている。
「あの、A」
「なに？どした？」
「えっと、スネイプと口論になったとき、なんだけど…」
「？」
「僕のことを、庇ってくれてありがとう。僕、凄くうれしかったんだ」
弱々しく笑うリーマスは、心なしかいつもより血色が良かった。しかし、その笑顔は一転してすぐに陰りが差す。
「でも、結果的に君たちを傷つけてしまうことになったけど…」
きっと今のリーマスは私がどれだけポジティブな言葉を掛けても、どれだけ口汚く罵っても、満足はしないのだろう。慰めようとも糾弾しようとも、どちらに転んでも彼は自分をどこまでも責めて追い詰めている。
「大丈夫だよ、何とかなるって」
今はゆっくりと時間を掛けて、各々の傷が癒えるを待つしかない。
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
