説明と、 ページ32
校長室へ招待された私は来客用のソファに腰掛け、ダンブルドア校長からセブルスに関する経緯を聞かされた。
簡潔にまとめると、ブラックがセブルスを唆して、人狼になったリーマスに襲わせようとしたらしい。そしてセブルスの身に最悪の事態が起こる寸前でポッターに引き戻され命を救われたという。
「Miss.サクラバよ。これらを聞いてどう思う」
「……白黒つけられません。どちらにも非はあると思います」
「其方は、人狼であるリーマス・ルーピンを恐れるかね？」
「いえ。彼が何者であろうと、私にとってそれは問題ではありません」
「では、君の親友であるセブルス・スネイプの反応は間違っていると思うかね？」
「いいえ、間違ってるとは思いません。身を守るために恐れは必要です」
掴みどころが無い。何の意図をもって私はこの質問をされているのだろうか。
私を射抜くように真っ直ぐ向けられたアイスブルーの双眸が、今は居心地が悪い。堪らず私は膝の上に置いた拳をぎゅっと握りしめた。
「そう不安げな顔をするでない」
「はい…」
「其方はきちんと物事を捉える公平な眼を持っておる。偏った善は時には悪にも成りうる。だからこそ、わしら教師は、それを正さねばならぬ」
「……」
「其方の答えを聞いてわしは安心した。わしからの質問は以上じゃよ」
ぽん、と私の肩にダンブルドア校長のしわくちゃで大きな手が乗る。安心感と包容力があるはずなのに、居心地の悪さは相変わらず拭えないままでいた。
私は本当に公平な眼をもてているのだろうか。中途半端な立場に逃げているだけではないのだろうか。どちらにせよ、セブルスとはもっと向き合わなければいけない。
考え込む私に、ダンブルドア校長が思い出したかのような口振りで喋りだした。
「あぁ、そうじゃった、サクラバよ」
「あ、はい」
「今年度の夏季休暇から、其方は長期休暇はホグワーツではなくこちらが用意した家に住んでもらいたい」
「ん？は？はい？」
「この試みの目的は、卒業後の生活に備えた生きる力を身につけてもらうことじゃ。気の毒なことに、其方の保護者はおらんからのう」
「え？は、はい」
「あぁ、在学中の家賃や生活費は気にするでないぞ。必要なものも揃えてある」
「いやあの、」
いや本当に止まんねぇなこの人。今日めっちゃ喋るやんダンブルドア校長。
「住所はここに記載されておる。間違えるでないぞ」
「ちょ、ま、待ってください」
「何じゃね？」
や、やっと止まった…。
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
