疑惑 ページ25
「A、いいか、ルーピンには絶対に近づくな」
「はぁ？セブルスどうしたの？」
真剣な眼差しで私の両肩を掴むセブルスに、思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「あいつは危険だ。今に僕が暴いてやる…」
「探偵ごっこか何かしてんの？」
メラメラと謎の闘志に燃えているセブルスに首を傾げる。
「探偵ごっこではない。良いか、もうあいつとは関わるのはよせ」
理由は教えないのに頑なにルービンとの交流を止めようとしている。
握る肩に力を込め念を押した後、彼はローブを翻し私から離れていった。
「とは言ってもリーマスは友達だしなぁ…」
私の言葉は誰にも拾われることなく、静寂の中へと溶けていった。
最近のセブルスはどこか謎である。付き合いが悪くなったというか、何というか。
私が絡みに行こうとセブルスを探しても、彼とすれ違っているのか中々見つからない。
その上リリーとの交流も減ってきているそうだ。
確実に何かがゆっくりとずれ始めている。そう思えて仕方なかった。
＊
「やあ、A」
「あ、リーマス」
気晴らしに図書室で小説を読んでいたところ、噂のリーマスが姿を現した。
笑顔ではあるが、彼の顔は青白く窶れている。更には顔に傷まで作っている。心配せずにはいられなかった。
「その、大丈夫？傷、痛む？」
「ははは、大丈夫だよ。こんなの慣れっ子さ」
瘡蓋になりかけの傷を指で撫でながら、リーマスはへにゃりと笑った(ぐう、可愛い)。
そう言えば数日前は満月の夜だった。それが関係して出来た傷なのだろう。
「Aこそ、何か浮かない顔をしているね」
「えっ、そう、かな？」
「あぁ。君にしては珍しく思い詰めた顔をしているよ」
「それっていつも能天気って言いたいの？」
ぱっぱらぱーなのはまあ認めるが、自分が深刻そうな表情をしているだなんて思いもしなかった。
ホグズミードでのリリーといいリーマスといい、微々たる変化に意外と鋭い。
私は彼らの勘の良さに舌を巻いた。
「まあ、悩みはあるけど…」
「どんな？僕でよかったら力になりたい」
リーマスは私の向かい側の席に座り、本を読んでいた私の手を両手で包み込んだ。じんわりと温かく少し硬い掌の感触が伝わる。
最近みんなスキンシップ多くね？それとも私の自意識過剰？
「あー、気持ちだけ貰っとく」
「…そうかい？」
まさかリーマスの事についてなど、本人に言えるわけがない。
彼は拗ねたような顔をしたが、それ以上は言及しなかった。
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
