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「実は、僕、人狼なんだ」
そう発した瞬間、僕はAの顔が見れず下を向いてしまった。
あぁ、とうとう僕の秘密を言ってしまった。
以前彼女は人狼のことを「人間と変わらない」と言ってくれた。
けど、やはり目の前にこんな化け物がいると知ったら、Aはどんな反応をするのだろうか。
「化け物！騙しやがって！」と罵る？
それとも悍しい僕を怖がって離れる？
どの結末を迎えてもいいようにと覚悟をしたはずなのに、今となってはそれらは何の役にも立ってくれない。
一向に何も言わない彼女に、僕は何だか怖くなった。そして直ぐに心に訪れたのは、諦めだ。
やはり醜い化け物の僕なんか、受け入れられるはずがないんだ。
少し期待して舞い上がってた分、浅はかだった自分が情けなくなって、僕は唇を強く噛んだ。
その時のことだった。
「そう」
彼女は口を開き、ぽつりとただその一言だけを漏らした。その声音や口調からは侮蔑や怯えは一切感じられない。
「それが、リーマスが言いたいことだったんだね」
Aはほっとしたように言った。
思わず僕は顔を上げ、彼女の表情を見る。彼女は恐れるどころか微かに笑っていた。
「僕が、怖くないの？」
「まあ、怖くないと言ったら嘘になるけど」
Aの言葉で心に陰りが生じる。
ほら、やっぱり僕は、と項垂れて落ち込もうとした矢先、「あ、でも変な勘違いはしないでね！」と彼女は訂正するように手を前に出した。
「確かに怖いけど、リーマスは私を怖がらせるために言ったんじゃないんでしょ？」
「う、うん…」
「勇気を出して打ち明けてくれた。違う？」
「うん…」
僕が頷くと、Aは優しい笑みを浮かべて僕の手を握った。
僕よりもずっと小さい手のはずなのに、全てを大きく包んでくれるような安心感がある手だった。
「だって、こんなに手が震えてるんだもん。きっと、私以上に怖い思いをしながら言ってくれたんだよね」
それに、とAは言葉を続ける。
「人狼か人間かじゃなくて、リーマスはリーマスだと私は思うな」
だから、勇気を出して言ってくれてありがとう。
彼女がそう言った瞬間、僕の両目からぶわりと涙が滝のように溢れ出た。
どんなに止まれと言い聞かせても、涙は次々と湧いては流れての繰り返しだった。
その後、僕はしばらく声を上げて泣き続けた。
その間Aは何も言わずに、僕が落ち着くまでずっと手を握ってくれていた。
あぁ、僕は今とんでもなく幸せだよ、A！
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
