家族会議 ページ13
映画を観て(まあAは爆睡してたけど)家に帰り、夕食を済ませたあと、Aは疲れたのか昨日より早めに就寝した。
Aが眠る部屋のドアを僅かに開き、彼女が眠っているのを確認する。彼女は映画の途中で寝てたのに夜も気持ちよさそうにすやすやと寝息を立てている。
その様子がなんだか微笑ましくて、つい口元が緩んでしまった。
「おやすみ、良い夢を」
そっと彼女に呟いて、僕はドアを静かに閉めた。
部屋を離れてリビングへ向かうと、ソファに腰掛けた父さんと母さんが心配そうに僕を見ていた。
「リーマス、本当に彼女に打ち明けるつもりなの？」
「うん」
「その決心は変わらないの？」
「うん」
僕が頷くと、父さんと母さんは表情を曇らせた。
僕がAを家に呼んだのは、一緒に過ごすためだけじゃない。僕の最大の秘密であり、重い足枷となっている人狼であることを打ち明けるためでもあるのだ。
母さんが「とりあえず座って」と言うので、僕は母さんの隣に腰掛けた。父さんが不意に立ち上がり、僕を母さんと挟むように座り直す。
父さんは僕の目を覗くように見た。
「人の心は良くも悪くも移ろいやすい。確かに彼女は素晴らしい人物だと思う。だが、100%の確率で受け入れるとは限らない」
「それでもし、リーマスが傷つくようだったら、私たちは…」
その続きを母さんは言わなかった。
「リーマス、私も母さんも、やっぱりお前の幸せが一番なんだ。無理に打ち明けなくても良い。隠すことも時には必要なんだ」
父さんが僕の肩を抱き寄せる。母さんも横から僕に腕を回し、抱きしめてくれた。
暖かくて、安心する。いつの日だって家族は僕にとって大切な存在。感じる温度に目一杯の愛を感じる。
以前の僕だったら、「やっぱりそうだよね」と諦めていたかもしれない。今だってAからの拒絶が怖くて心が震えている。
でも、僕は決めたんだ。彼女が人狼のことを臆せずにいてくれたあの日から。
「僕は、何と言われようと、人狼であることを彼女に打ち明けるよ」
「リーマス…」
まだ彼女に打ち明けてないのに、緊張で手に汗が滲む。
「それで彼女が僕を拒んでも、僕は構わない」
僕の言葉に、母さんが涙を流した。
彼女が例え僕を軽蔑したり、化物と罵っても、僕は彼女を恨まない。まあ、三日三晩寝込む自信はあるけども。
でも、迎える結末がハッピーエンドではなくとも、嫌われたとしても、それでも僕は、Aにとってそのままの僕でありたい。
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桜丸 - 更新待ってます！ (2022年10月3日 15時) (
レス) @page28 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - たちばなさん» コメントありがとうございます〜！笑っていただけるとは…！！嬉しい限りでございます！モチベにつながります！本当にありがとうございます！ (2020年12月9日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
たちばな - 更新楽しみにしてました！！見ていない間に2話も更新されてて秒で読んでしまいました笑 これからも頑張ってください！ (2020年12月9日 21時) (レス) id: 3ae7e914ee (このIDを非表示/違反報告)
れいとーこ(プロフ) - アヤキさん» うわーー！嬉しいお言葉ありがとうございます！私生活の都合で亀更新ですが、一応結末は決めているので気長にお楽しみください！ (2020年12月8日 22時) (レス) id: 04deb82a8f (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ - 更新ありがとうございます！好きなお話なので定期的に見に来ていますwこれからも頑張って下さい、応援しています！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいとーこ | 作成日時：2020年5月10日 15時
