女神様っ! ページ7
悪魔主×宗教松三男
『めーがーみーさーまっ』
「A…なんで毎日ここに来るの」
静かな泉の畔で腰を落ち着けていたチョロ松。ぼーっと特に意味もなく空を見上げていると、真っ黒な塊ーーもとい、Aが下りてきた。
いつの間にか隣を陣取り、にこにことチョロ松を見ていた。
『なんで、って…そりゃあ好きなやつとは一緒に居たいじゃないか……いてっ』
「悪魔のくせに、よく僕に触ろうと思うよね」
『うー焼ける〜』
チョロ松の隣に居るAは、正真正銘の悪魔である。黒い翼をはためかせ、チョロ松に寄りかかるが、肌の触れた部分からじゅうじゅうと焼ける音がしだす。
それでも離れる気配はなく、焼けた特殊な匂いが鼻腔を満たす。
「…いい加減離れてよ。臭い」
『はいはーい。冷たいなぁ、女神様は』
「言ってろ」
Aは翼で軽く宙を叩くと、ふわりと体を浮かせる。
『ね、女神様。俺の所に来ない?』
「………はぁ?」
『俺と女神様は、同じぐらい地位が高いんだよ実は。でね、いい加減天界か悪魔界かのどっちかにつけって言うんだ。悪魔が天界にいくーなんてどだい無理な話だろ?業が深いんだからさ』
言いながら、Aはチョロ松の手を取り、恭しく手の甲に唇を落とす。
『ね、堕ちてよ。簡単だよ。俺の手を取ってさえくれれば』
「…勝手に話を進めないでよ。いつ僕が君と堕ちたいなんて言った?思い込みで僕を誘うのは止めて」
チョロ松は冷たく言い放ち、取られた手を振り払う。
Aはにたりと笑い、チョロ松のはるか頭上まで羽ばたく。
『俺はA様だ。たとえあんたが転生したって追いかけて、堕ちるまで誘うまでさ』
「好きにすれば。僕は堕ちないから」
チョロ松は泉へと戻り、姿を消した。Aは笑みを浮かべたまま、空へと消えた。
「Aってば抜け駆けなんてずるーい」
『おそ松。目をつけたのは俺じゃん。それを狙ってただけだろー』
「まぁな」
『ま、女神様も大概俺のこと好きだから。後二、三百年もすれば堕ちるさ』
「うっわ〜ナルシスト〜」
『事実だよ』
果たして二百年後。転生を遂げた女神・チョロ松は、甘い言葉に誘われて、前世の業も相まって、ころりと堕ちた。
転生もせず、人に化け、じっくりと機会を窺っていた悪魔のAに。
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おトク(プロフ) - 妄想して寝れる…んんんおじさま受け最高しんどい (2019年7月31日 18時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - はじめまして佐渡の音さん感動的でしたほとんどが泣ける話で泣きたくなったときに読ませて貰います。涙が止まりません。これからも更新頑張って下さい。応援しています。 (2017年10月7日 13時) (レス) id: 09ba0af9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2017年6月30日 23時
