本当の気持ち ページ41
「Aっ」
『うん?』
「…その、放課後、のことだけどよ」
『あぁ、偽告白?』
「そ、そうだ。あれ、怒ってんのか?」
どうやら俺が怒っていると勘違いしているようだ。怒ってなんかいない、ただあの言葉が嘘だったことに衝撃を受けているだけだ。
『怒ってないさ。なんだよ、意外とキッドは繊細だなぁ』
「うるせェ!!今日のてめェが可笑しいから心配してやってたんだよ!悪ィか!!!」
心配、かぁ。
『優しいなぁ、キッド。流石俺の幼馴染』
「……何ともねェんなら、いい。またな」
『あぁ、お休み』
あの日から、何年経ったんだか。
俺は大学に進み、Aは仕事に就いた。会うことなんてできる訳もなく、時折、家の近くで見かけるだけだ。
見かける度に、思い出す。あの言葉を。
『お、れも。ずっと好きだったよ、キッド』
A、今更、だけどよ…俺、本当にてめェのことが好きだったみてェなんだ。それなのに、自分のことなのに気付けなくて、ずるずると悩み続けていた。
そして、今、漸く整理がついた。
お前が好きなんだよ。
告ったのは嘘じゃなかった。あの場の勢いもあったが、俺のホントの気持ちだった。
それなのに、罰ゲームの一言で片付けちまった。Aはしっかりと俺に返事をくれたってのに。
後悔は募る一方だ。最初はいっそ開き直って告ってやろうと考えてた。だが、またあの時みたいに泣きそうな、苦しそうな顔で、「また偽告白か?」なんて言われたら……
「クッソ……」
携帯電話をベッドに投げつけ、後に続くように体を沈める。
まともに顔を合わせていない。話もろくにしていない。そんな俺はずっと悩んでいる。
「A…」
お前も苦しかったのか?
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おトク(プロフ) - 妄想して寝れる…んんんおじさま受け最高しんどい (2019年7月31日 18時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - はじめまして佐渡の音さん感動的でしたほとんどが泣ける話で泣きたくなったときに読ませて貰います。涙が止まりません。これからも更新頑張って下さい。応援しています。 (2017年10月7日 13時) (レス) id: 09ba0af9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2017年6月30日 23時
