ハッピーハロウィン ページ37
菓子職人主×黒足
『………』
「A?」
『…………』
「怖いぞ、どうした」
ハロウィンという行事をAに教えてから、あいつはずっと部屋に籠っている。何度声を掛けても返答はなく、ここ数日はまともに食事を取っていない。
いい加減ナミさんやロビンちゃん、ルフィでさえも心配し始めているのだから、止めなければならない。
「A、そろそろメシの時間…」
『サンジ!お前は仮装するんだよな!?な!?』
「……その予定だが」
『じゃあ、尚更手を抜けないんだ。明日まで待っててくれ!!』
「あ、おい!!」
一方的に捲し立てられ、そのまま部屋を追い出された。
「なんなんだ、あいつ…」
これ以上何か言っても無駄だ。そう判断して、部屋を離れた。
そしてハロウィンがやってきた。相変わらずAは部屋から出てきていないが、何やらするつもりらしいので、今日こそは姿を拝めるだろうと思っていた。
「おーい、サンジ」
「っと、なんだよルフィ」
「まだAのトコ行ってねェのか?」
「?あぁ、まだだが…」
「ずっとサンジのこと待ってるぞ!!」
船長から驚きの事実をもたらされ、大慌てでAの自室に向かった。
「…入るぞ」
『あ、サンジ!!やっと来てくれた!』
部屋では満面の笑みを浮かべたAが、何故か汚れた姿で待っていた。
『……サンジ!』
「?」
『サンジ!』
「なんだよ?」
『ハロウィンなんだろ?』
「?……!トリックオアトリート」
『悪戯は困るからこれあげる!』
Aは背で隠していた何かを見せる。それはガラスケースで、中にはケーキが鎮座していた。
ジャックオランタンや魔女、お化けなどが砂糖で作られ、カボチャを練り込んだクリームケーキの上で踊っていた。
細かな細工は菓子職人であるAだからこそできる技で、いつかはそれを学びたいと思っている。
『…どうだ?これで、悪戯はしない、か?』
「できる訳ねェだろ……」
『!……魔女の家の扉が開きそうじゃないか?』
「ん?…確かに」
言われるがままに肯定し、ガラスの蓋をずらし、扉をそっと開けてみる。魔女の家は、飴でできているようだった。
「……っ、これ」
『ど、どうかな。俺なりに、いいデザインだと思うんだけど…』
魔女の家だと思っていたそこは教会で、中には神父が立って、両手に指輪を二つ、持っていた。
『好きだ。愛してるよ、サンジ。俺と結婚してくれ』
「!!クソ喜んで…!」
照れ顔でのプロポーズはカッコ悪いものだったが、答えが変わることはない。
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おトク(プロフ) - 妄想して寝れる…んんんおじさま受け最高しんどい (2019年7月31日 18時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - はじめまして佐渡の音さん感動的でしたほとんどが泣ける話で泣きたくなったときに読ませて貰います。涙が止まりません。これからも更新頑張って下さい。応援しています。 (2017年10月7日 13時) (レス) id: 09ba0af9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2017年6月30日 23時
