裏を取られた ページ32
違うんだ、A。俺は、束縛が欲しくて、嫉妬が見たくて、大して何も思わない女どもを相手にしてきたんだ。
だから、もう関係はないし、こうしてAと話している方が時間の使い道として正しいと思っている。
「A、実はな……」
『あー、いいよいいよ。俺に戻ってきて欲しいからなんか理由考えたんでしょ?聞きたくないね。どうせ本当に好きなのはお前だーとか嫉妬して欲しかったんだーとか。それなら一線を越えんなよって話。ま、契約金を前の1.5倍ぐらいにしてくれるなら考えるよ』
「……」
Aの諜報力の前では半端なことでは騙せない。適当にやってしまえば、すぐにでもばれて、ニヤニヤしたAに問い詰められる。それでは意味がないので、できることはして、それでようやく騙せるのだ。
これは、単純に、Aの執着する様や嫉妬する様子を見たいが為に行ったことなのだ。
別に、本当にAと関係を終わらせたかった訳ではないのだ。
『金で解決するんだから、いいんじゃなーい?俺も生活に困らなきゃ、あんたらをネタにすることはないよ』
「フッフッフッフッ、俺とは終わりってか?」
『何言ってんだよ。お前が望んだことさ。ノーマルだってこと、散々見せてくれたな。気付けなくて悪かったよ』
Aは恨みのこもった目で、俺を見る。
『ノーマルだったんなら、最初からそう言えよ』
そう言って、Aの左手の薬指からシルバーの光が消えた。
Aと別れて半年。なんとか報酬金でAを繋ぎとめてはいるが、それも限界がある。
気持ちが他に向けば、報酬金には関わらず、去ってしまうだろう。それまでに、なんとか手を打たねば。
「好きにしてくれていいんだぜ?」
『……俺、恋人以外は触らない主義なんで』
「なァ、あのレストラン…」
『元、婚約者と行った所で、いい思い出がないんで遠慮しておきまーす』
ひらりひらりとかわされ、俺の言葉は届かない。恨みがましく思うところもあるが、自分が悪いということは自覚しているので、下手に話しかけることができない。
『あー、可愛い一途な恋人が欲しいなぁ』
「お前じゃ無理だろ」
グラディウスの反応に切なくなる。
『冷たいな、お前…』
「ふん」
『でも、お前はドフィに一途だよな〜そういうとこ、好きだぜ〜』
がしゃん
陶器の割れる音がして、振り返る。そこにはドフィが不自然な手のまま立っていた。
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おトク(プロフ) - 妄想して寝れる…んんんおじさま受け最高しんどい (2019年7月31日 18時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - はじめまして佐渡の音さん感動的でしたほとんどが泣ける話で泣きたくなったときに読ませて貰います。涙が止まりません。これからも更新頑張って下さい。応援しています。 (2017年10月7日 13時) (レス) id: 09ba0af9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2017年6月30日 23時
