ほんとはすごいよ!さにわさん ページ4
×岩融 死ﾈﾀ
「おぉ、主!」
『岩融、お前……』
「主が居なかったから、一人で行って来たぞ!これが中々苦労した…」
『…今剣の気持ちも、お前の気持ちもわかるが……それだけは許されないと言った筈だ…!!』
Aは手を強く握りしめ、歯を食いしばる。目の前で平然と話を続ける岩融の手には、今剣の主の兄の御首が掴まれていた。
本丸の廊下は血塗れで、Aの後ろに隠れる五虎退は重傷となっていた。
「これで今剣は悲しまずに済む!!何故俺は、そんなことに気付けなんだのだろうな!」
「主様、下がってください…!」
『五虎退、その怪我じゃ無理だ。そろそろ一期一振が来る頃だろうから、待ってろ』
Aは懐から人形の紙を取り出す。指を噛んで血を滲ませると、紙に擦りつける。
紙を意志を持っているかのようにはためき出し、岩融へと向かう。
「……主、何の真似だ」
『目に余る行為をしたんだ。それなりの覚悟は持っているのだろう?』
『光は汝を裁かん』
紙は岩融の周りで分裂し、増える。やがて姿を覆い隠すほどに増えると、岩融は暴れ始めた。
「邪魔をするな、主!!俺は、今剣を、今剣を…!」
紙の塊は岩融の動きを封じた。
…かのように思われた。
「こんなものに、負ける訳には……!!」
「主様っ!!」
一度は動けぬようになった岩融であったが、薙刀を大きく振った。刃先はAを捕らえ、心の臓に届く傷を与えた。
『っは…!……落ちるな、岩融!今剣が待ってるんだ!!』
「主…」
『今なら俺の力で戻れる。今剣はお前が落ちれば必ずついていくぞ。それでいいのか?それがお前の望みなのか!?』
「違う……俺はただ、今剣が辛い顔をするのを、見たくないのだ!」
『だろう?』
Aはにっこり笑い、吐血しながら岩融に手を伸ばす。その手に触れると、岩融は瞬間、光に包まれた。
開ききった瞳孔は落ち着きを取り戻し、薙刀は床へと落ちた。血を失ったAは微笑みながら岩融を撫で、そっと呟く。
『皆を頼むよ』
「主…!!」
「主様!!」
Aの体から光が放たれ、岩融と五虎退を包む。五虎退の怪我は癒え、岩融の容姿は平時と変わらぬものとなった。
岩融は、一期一振ら遠征部隊が来るまで涙を流し、Aの骸を抱えていた。
ーー次の報告です。××本丸、解体。審神者が薙刀の歴史改変により死亡。遠征部隊、出陣部隊は共に無事。本丸に残っていた短刀一振りも無事とのこと。薙刀に歴史改変主義思想は見受けられず、他の本丸に譲渡予定。以上で報告を終わります。
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おトク(プロフ) - 妄想して寝れる…んんんおじさま受け最高しんどい (2019年7月31日 18時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - はじめまして佐渡の音さん感動的でしたほとんどが泣ける話で泣きたくなったときに読ませて貰います。涙が止まりません。これからも更新頑張って下さい。応援しています。 (2017年10月7日 13時) (レス) id: 09ba0af9d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2017年6月30日 23時
