言葉にしてよ ページ44
人外主×不死鳥
ここはグランド・ラインのとある冬島。偵察と称して、マルコは誰よりも先に足を踏み入れていた。
「………久し振りだねぃ」
『これはこれは不死鳥殿。久しいですな』
島の中央にある洞窟に入ると、そこには見た目とは裏腹に、老練な空気を漂わせた青年がゆったりと横たわっていた。
マルコの姿を認めると、優雅に体を起こす。
その仕草にマルコは知らず知らずの内に息を吐き、その青年に見惚れる。
『外はどれだけ経ったのだろうか。ここ最近は眠ってばかりでね…』
「前に会ってから、夏と秋が一回過ぎたよぃ」
『なんだ、その程度か…君がしょっちゅう私に会いに来てくれるお陰で、時間を忘れずに済む』
「誉めてんのかよぃ?」
『そのつもりだよ』
青年はマルコの頭をすくようにして撫でた。
「…ガキじゃ、ねェよぃ」
『うん?これはがき、にやる行為なのかい?可愛いと思う者に施すものだと聞いたのだが…』
「誰、からだよぃ?」
『サッチくんだよ。君が帰った頃に偶然出会ってね。他所の島で女をおとす…?時にはこうやるのだどうのと言っていたんだ。私は惚れた者に何をするのが人間なのかを尋ねたら、まずは頭を撫でて誉めろ、だったのだが……どうやら、ちがったようだね』
マルコは、何故か出て来たフランスパンの名前に驚きつつも、青年の言葉を反芻して、ボンッと、赤面した。
「ほほほほほほ、惚れ、惚れた!?」
『あぁ、私は君に惚れているんだ。人ならざる者としての生は永いが、君を相手にすることほど、心臓に悪いものはない。君を前にすると、動悸が激しくなるんだ』
「………かよぃ」
『マルコ…?』
「本当に、俺に惚れてるのかよぃ!!」
耳まで赤くなったマルコは、青年に勢いよく抱きついた。顔を隠すようにして、大声で叫ぶ。
「………間違い、ないねぃ?」
『サッチくんの情報が正しければ、ね』
「…サッチ、サッチ、うるせェよぃ……」
『君は、どうなんだい?私のことが好きかい?』
「……口にしなくても、わかれよぃ」
『うーん…私は人間とは違うからねぇ。相手の心情をはかり知ることはできないんだ。だから、言葉にしてもらわないと、肯定なのか否定なのかがわからない』
しばらく思いを巡らせたマルコは、ようやく決心したように呟く。
「………俺も、好きだよぃ」
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おトク(プロフ) - 攻め主最高今日も快眠 (2019年7月30日 20時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
クロノル(プロフ) - 続編おめでとうございます。楽しみにしていました。これからも楽しみにしています！これからも頑張ってください (2016年8月25日 13時) (レス) id: 8eb9e07c57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2016年8月23日 14時
