過去の話 ページ5
【終わったの】主×桃鳥
『…ワタシ?』
「あァ、てめェだ」
『酔っているのね。ワタシ、女じゃないわ。夜のことなら、他を当たってちょうだい』
酒を飲む場所特有の騒がしさの中。桃色のコートを纏った立派な体躯の男が、Aに声を掛けていた。
「酔ってなんざいねェさ。一口も飲んでねェからな」
『…なら、タチの悪い嫌がらせ?止めてくださる?ワタシ、短気なの』
「てめェが気に入ったのさ。どうだ?俺と付き合ってみねェか?」
『……なんでワタシに声を掛けたのか、教えてくれたら、考えるわ』
「おもしれェから」
『………は』
「てめェが面白そうだったからだよ。てめェなら、俺を退屈させない気がしたからな」
『動物的な直感?…まぁ、いいわ。けれど、条件付きよ』
Aは名乗ることはせず、もし、明日もその気ならと答えた。
『明日もワタシを面白いと言ってくれるなら、付き合ってあげる』
「フッフッフッフッ…あァ、いいぜ。じゃあ、また明日だな」
『変わった人』
翌日。勤務先に向かうAの前に、昨夜と同じような格好の男…もといドフラミンゴが現れた。
『あら、アナタは』
「……なんだ、その格好は」
『ワタシの仕事着よ。これでも人気な、ファッションモデルなのよ?』
「ほォ……」
Aは昨夜とは違っている。なにしろ、男の格好をしているのだ。
『昼は男で、夜は女。どう?アナタはまた、面白いと言う?』
「………フッフッフッフッ!!なおのことおもしれェ。いいんじゃねェのか?」
『ま、物好き……約束だし、付き合ってあげる。ワタシはA。よろしくね、ドフラミンゴ』
「A、か…よろしくな」
Aは、女受けしそうな爽やかな笑みを浮かべ、ドフラミンゴの手を取る。一瞬驚くドフラミンゴであったが、すぐにフッフッフッと笑い出した。
『これから、デートしましょうか。どこがいいかしら?そうね…アナタはどこがいい?』
「船だ」
『…?』
「俺の船に来い、A」
『………アナタ、ワタシを知ってて来たのね?』
「海賊なんだろ?」
『イジワルな人』
くすり。自然と笑みが零れ、Aはドフラミンゴの手を握る力を強めた。
「…」
『嫌だったかしら?』
「何も言っちゃいねェだろうが」
『ふふ、眉間に皺が寄ってるわ』
「…………」
(これが彼との出会い)(名前すらもない、そんな関係)(でも、ワタシは幸せだった)
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おトク(プロフ) - 攻め主最高今日も快眠 (2019年7月30日 20時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
クロノル(プロフ) - 続編おめでとうございます。楽しみにしていました。これからも楽しみにしています！これからも頑張ってください (2016年8月25日 13時) (レス) id: 8eb9e07c57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2016年8月23日 14時
