所有物なんかじゃなくて ページ38
×桃鳥
いつだって、自分は若様のもので、若様は若様のものだった。
それは不変の事実で、自分なんかでは変えられる筈もなかった。
だから、こうして若様が他の女と仲良くしていても、仲良くした女と使ったベッドを自分に後始末をさせたとしても、自分は決して文句を言ってはならない。
何故なら、自分はあのお方の所有物であって、決して恋人なんかではないから。
差し出がましいことを発言するなど、自分ができる立場ではない。
だから、間違えたことをしてしまったのなら、教えてください。関わるななどと仰らないでください。
いつだって、俺はAのもので、Aは俺のものだった。
それは周知の事実で、否定する人間など居なかった。
だから、たまの息抜きとして女を買ったものの、全く面白くなくて、Aに包まれる方が断然いいということを、知らしめてやりたかった。
何故なら、Aは淡白な男で、滅多にベッドに上がってくれない。
自身では上手く誘えないことを重々承知しているから、嫉妬に悶えるヤツを見てみたかった。
でもアイツは、感情を瞳に映さず、淡々と後処理していた。
文句の一つも、嫉妬の一言も口にしなかった。
愛想を尽くされたのか?この俺が捨てられるのか?そんなもの、俺のプライドが許さない。
てめェが俺を見なくなる前に、俺がてめェを見限ってやる。
最近になって、若様は自分を恋人にしたいと思っていらっしゃると、ベビー5さんが言っていた。
『まさか。愛人の間違いでしょう』
「羨ましいわ!!若様に必要とされてるなんて…!」
『人の話を聞いてください……』
「若様は、本当に恋人って言ってただすやーん!ところで、恋人って何ですやん?」
『バッファローさんが言うなら、そうかもしれないですね…』
「フッフッフッフッ…ベビー5から話に聞いただろう?」
『えぇ、正直なところ、信じてはいませんが』
「で、どうだ」
『どう、と仰られましても』
「戻したくねェのか?よりを」
『戻すも何も、自分はただの所有物で』
「なれって言ってるんだ。てめェに拒否権はねェ」
『…全く………ワガママですね、どこまでも。そんなところも、好きですが』
「!……うるせェ」
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おトク(プロフ) - 攻め主最高今日も快眠 (2019年7月30日 20時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
クロノル(プロフ) - 続編おめでとうございます。楽しみにしていました。これからも楽しみにしています！これからも頑張ってください (2016年8月25日 13時) (レス) id: 8eb9e07c57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐渡の音 | 作成日時：2016年8月23日 14時
