年老いたって ページ4
元上司主×白猟屋
『失礼するよ……久し振り、スモーカー君』
「!!A中将、なんでここに」
『待て待て。今の私は、もう前線を退いたからね。中将と呼ばなくても結構だよ』
「…Aさん」
『ふふ、懐かしい呼び方だね』
スモーカーが自室で書類を片付けていると、控え目なノックと共に、上司…正しく言うと、元上司の姿があった。
「それで…なんで、こんなところに」
『私は隠居した身でね。後の人材を育てているんだ。それに飽きてしまってね。こうして、昔の教え子を訪ね回っているんだ』
「はぁ…また危ないマネを」
『ずっと現役よりも、よっぽど安全さ。安心して。きちんと海軍の船で来たからね』
「そういうことじゃ…」
「あ、Aさん!!お久し振りです!!!!」
『たしぎちゃん。元気そうで何よりだよ』
「スモーカーさんに会いに来たんですか?スモーカーさんは、ずっとあなたを待っていましたよ」
「たしぎ!!余計なことを…!!」
『それ、は…嬉しいね。大抵は私を見ると、訓練の時を思い出すのか、顔をひきつらせるからね』
「良かったですね、スモーカーさん!」
たしぎは書類を置くだけ置いて、さっさと退室した。
Aはスモーカーの前に立ち、にっこりと笑う。
『君に、私が残っているようで良かった。私の中は君で埋め尽くされているからね』
「!…ムシのいいことを」
『はは、こんな老いぼれの言葉だ。戯れ言と取ってくれて、構わないよ』
「…………」
寂しそうな笑みを浮かべ、Aは客用のソファに深く座る。
スモーカーは視線をあちこちにやった後、ついと立ち上がった。そしてAの隣に座る。
「俺、も……あなたのことで」
『……いいのかぃ』
「?」
『こんな老いぼれなんて、放っておいて、いいんだよ?』
「…………俺は、あんたじゃねぇと嫌だ」
『!……ありがとう。今日は、ここでお世話になろうかな』
スモーカーは真っ赤な顔を隠そうと、Aから顔を背ける。
Aはくつくつと笑い、スモーカーの頭を撫でた。
『私は、君が好きだよ………スモーカー』
「…A、さん」
私の恋人は可愛い!!
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おトク(プロフ) - 攻め主最高今日も快眠 (2019年7月30日 20時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
クロノル(プロフ) - 続編おめでとうございます。楽しみにしていました。これからも楽しみにしています！これからも頑張ってください (2016年8月25日 13時) (レス) id: 8eb9e07c57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐渡の音 | 作成日時：2016年8月23日 14時
