時の流れ ページ14
魚人主×白ヒゲ
ドブンッ
水に、大きな何かが落ちる音がした。
近くで海賊がやりあっていることを魚から聞いたから、その乗組員が落ちでもしたのだろう。
ならば、問題ない。海に生きる者が、泳げぬ筈もない。
…………と、思っていたが。悪魔の実という厄介な果物を口にしたせいで、泳げないという青年が落ちてきていた。
船長殿とは関わりがあったので、助けた。
『青年、泳げぬのに無茶をするな』
「がはっ…うっせ、どうしようがオレの勝手だろ」
『……ならば、せめて私の手を煩わせないでくれないか。船長殿とは知り合いだから、助けたが…次はないぞ』
「アンタがオヤジと知り合い…?」
『……ちょっと昔にね』
「グララララ、てめェ、しぶとく生きてやがったか」
『ニューゲートくん、久し振り』
あぁ、嫌だ。顔を合わせるつもりなんて、なかったのに。
『随分と老けたものだね…君も、マルコも』
「A、さん」
『やぁ、マルコくん。また会ったね。本当は、この子を上げたら、帰るつもりだったのだけれど』
「寂しいこと言うんじゃねェよ、A!!息子達ィ!今日は宴だァ!!!!」
『相も変わらず、元気なことで……』
「アンタ、何者だ…?」
『このニューゲートくんに告白されて、迷いなく断った魚人だよ』
「………………は!?」
おや、この青年も中々に元気そうだ。
「オヤジに告白され、え、えぇ?」
『私は鯨の魚人なんだ。とても長寿でね、年をとるのが人間より、遅いんだ。だから、彼の告白も断ったのさ。私よりも、長生きできない子とは付き合えない、とね』
「えぇ……」
この青年は、ニューゲートくんの願いを叶えたいと思っているのか、今からでも告白を承諾しろなどと言い出した。
面白い青年だな。
『私は、もう置いて逝かれたくないのさ』
「……………グラララ!!今日はしみったれた話はなしだ。さァ飲め、A!」
『…あぁ、おいしくいただくとするよ』
ニューゲートくん、ごめんね。
私も君が好きだけれど、置いて逝かれることはわかっているから、断るしかなかったんだ。
私がいなくても、君にはたくさんの家族が居る。だから、私のことはもう忘れなさい。
鯨の生は、人の生と違うのだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おトク(プロフ) - 攻め主最高今日も快眠 (2019年7月30日 20時) (
レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
クロノル(プロフ) - 続編おめでとうございます。楽しみにしていました。これからも楽しみにしています！これからも頑張ってください (2016年8月25日 13時) (レス) id: 8eb9e07c57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐渡の音 | 作成日時：2016年8月23日 14時
