XI-9 ページ9
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三澄からの電話は一向になる気配がない
きっと気が気でないはず
それでも中堂は1つのミスもすることなく
スピードを落とすわけでもなく
丁寧に最後までご遺体と向き合った
中「…縫合完了。あと頼んだ」
坂「はい」
なんとか怒濤の解剖を終えて、中堂は解剖室を出た
中「…」
東「…」
神「…」
久「…」
坂「…」
仕事を終えたオフィス内は静寂に包まれていた
息をする音さえも聞こえない
自身の心臓の音が酷く大きく響いていた
どれだけ待っても、電話が鳴ることはなかった
・
三「UDIラボの三澄です！」
「ご協力感謝します！早速ですが、こっちお願いします」
三「はい」
三澄が案内されたのは機体の先頭部分
鎮火された後なのだろう
所々が黒く焦げ、嫌な臭いを放ち、地面は水で湿っていた
三「…はじめます。」
仕事をこなしつつ、あたりをよく見回して必死にAを探す
本部に設置された被害者の情報が集まるボートをくまなく確認した
トリアージで黒に判断されたご遺体も全て確認した
それでもAは見つからなかった
・
どれだけ時間が過ぎただろうか
中「っ、どうだった！」
一本の電話が静寂を破った
ワンコールも待たずに電話を取った中堂
それに皆が詰め寄る
側から見たら不思議な光景だった
三《…私が確認した中には、いませんでした。》
中「…生きてるのか？」
電話越しだからか、いつもより低く感じる三澄の声
オフィスには、震える中堂の声がよく通った
三《他の大学病院に回されたご遺体については、確認できていません。
でも、現場で見た限りAらしき人はいませんでした。》
中「そうか、」
確認できなかった
それはつまり、生きている可能性があるということ
中「生きてる、かもしれない」
東「っ、よかった…」
その言葉に無意識に入っていた全身の力が抜けた
三《本当に無事だったのか、病院に当たって確認しましょう》
中「ああ」
長かったような、短かったような電話が切られた
希望がまだある
ただただ広がっていた闇に、光が射した瞬間だった
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灰かぶり(プロフ) - すごく好きな作品で、一気読みしました。続きが気になります。更新、楽しみにしております。体調にもお気をつけください。 (9月12日 23時) (
レス) @page30 id: 54c03ac678 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月23日 18時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 久々に思い出し読みましたが、更新は途絶えたままのようで停止中？完結に至っておらず読めず残念です。 (7月15日 22時) (レス) id: 0a9854232a (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - もう一つの事件どう言った終わりを迎えるのか楽しみです！無理のない程度に更新楽しみにしております。 (2023年3月30日 22時) (レス) @page30 id: 7dcc1603c8 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！最近は仕事を頑張るモチベーションにさせてもらってます。更新を楽しみにして待ってます。 (2022年8月17日 19時) (レス) @page30 id: aa4d38c827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナホ | 作成日時：2018年4月20日 0時
