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きっと、あのヘルメットの下はニコニコな笑顔。
あんな黒いバイクの前に大の大人が大きく手を振ってるものだから
スタッフみんな、なんだなんだと彼を見るけど
ヘルメットを被っていてわからない人はわからないだろう。
とうや「じゃ、お役御免だな」
『うん。ありがとう』
とうや「……お前が素直にお礼言うなんて珍しい」
『は？うざ。二度と言わない』
とうや「ひでぇ(笑)」
他のスタッフもヘルメットの正体にチラホラ気づき始めて
数人臣さんを囲んだ。
…とても行きにくい。
行くのを躊躇していると
囲まれた先から��おいで��って言う。
さすがに無視できるわけなく、
視線を浴びながらその中心へと向かった。
たどり着くと、バイクにかかっていた
もうひとつのヘルメットと、私の手袋と上着を
座席の下から出して渡してくれる。
『ありがとうございます』
「ん。じゃあ、帰ろっか」
チーフマネージャーに2人で挨拶して
みんなに見送られながら彼の広い背中の後ろに乗った。
「落ちんなよ」
『……いつも言いまけど、普通落ちないですから』
ギュッと彼のお腹の前で手を組んで
振り落とされないように後ろから抱きつく。
冷たい風が体にビュービュー当たるけど
臣さんが手袋と上着を持ってきてくれたから寒くない。
前に座ってる臣さんは寒いかもしれないけど……
「酔い覚ましにちょっと走るー？」
ちょうど赤信号で止まった際に、彼が振り向いてそう言った。
これはきっと、臣さんなりのデートお誘い。
普段は余りできない、バイクだからこそできる、私たちの小さな外デート。
ぎゅっとお腹を抱き直して、��うん��と頷く。
ただ背中に体を預けて、
黙ってネオンの街を眺めるだけ。
たったそれだけなのに幸せだと感じる。
背中感じる温もりと、優しさと、愛が伝わるから。
信号で止まる度に、お腹にある私の手に自分のを重ねてくれるから。
だから、私にとっては幸せで、嬉しいデートだ。
新居に帰って、冷えた体を温めるため一緒にお風呂に入り
今度は彼の背中ではなく、胸に体を預けた。
臣さんが私の右手を後ろから持ち上げて、薬指の指輪を撫でる。
「活躍した？」
『はい。とっても』
その答えに満足そうに笑った。
『私、これ以上ないくらい幸せです』
世界で1番好きな人と居られることが。
「ふっ、幸せはこれからもっとあるよ」
彼の唇が私の頬に触れた。
その後 Fin.
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omigirl(プロフ) - りこさん» 最後までご覧頂きありがとうございました！光栄なお言葉にも感謝です☺️ (10月19日 21時) (
レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
omigirl(プロフ) - maiki042625さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。思うことはみんな同じですね...😭 (10月19日 21時) (レス) id: 22df992226 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら楽しませてもらってました！お話とても面白かったです！！ (10月18日 21時) (レス) @page42 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
maiki042625(プロフ) - 素敵な小説ありがとうございます。私も本を読んでずっとファンでいて良かった。と再確認しました(^^) (10月18日 21時) (レス) @page42 id: 624b9b8d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：omigirl | 作成日時：2023年10月9日 20時
